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「商品ライフサイクルの見える化に貢献する」メルカリがデータ開放を進める理由

 2020年2月、メルカリが丸井やアイスタイルなど一次流通のデータを持つ企業との連携を発表した。本記事では、同社の執行役員VP of Business Operationsである野辺 一也氏にその狙い、連携によって二次流通と一次流通それぞれにもたらされる恩恵などを聞いた。

高まる一次流通×二次流通の機運

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回はメルカリが2020年2月に発表した、二次流通データと一次流通データの連携についてお聞きし、その可能性や影響などについて明らかにします。

 まず、なぜこのタイミングでデータ連携の強化に至ったのでしょうか。

株式会社メルカリ 執行役員VP of Business Operations 野辺 一也氏
株式会社メルカリ 執行役員VP of Business Operations 野辺 一也氏

野辺:データ連携を通じて、我々とパートナーとなる一次流通の企業の顧客体験がよくなると考えたためです。

 元々、二次流通と一次流通のデータ連携によってメリットが得られると考えていました。「一次流通と二次流通が対立するものだ」と思われる方もいるかもしれませんが、我々の調査ではフリマアプリ利用による新品商品の消費喚起効果は年間484億円(推計)という結果も出ています。

 加えて、一次流通の企業の方から「二次流通のデータを活用したい」という声も多く上がっていました。このような背景から我々は、一次流通に関するデータをお持ちの企業と連携を開始し、2020年2月に様々な企業との提携を発表させていただきました。

データ連携で商品のライフサイクルが把握可能に

MZ:では、二次流通と一次流通のデータ連携によってどういったメリットがあるのでしょうか。

野辺:メルカリ側のメリット、メーカーや小売など一次流通企業のメリットについてご説明します。

 前者に関しては、一次流通企業の持つデータと連携することで、メルカリで出品された商品に「いつ買われたのか(購入履歴など)」「どこで買われたのか(店舗情報)」といった情報を付与することができるようになったことです。

 たとえばアパレルで現在検索される情報として多いのはブランド名になります。しかし、今後一次流通企業との連携が進めば、「どの商業施設で、いつ買ったのか」といった情報でも検索することが可能になり、より出品・購入しやすくなると考えています。

MZ:メーカーや小売企業にとってはどのようなメリットが考えられるのでしょうか。

野辺:メーカーや小売からすると、データ連携によって買った後のライフサイクルが把握できるようになります。たとえば、購入から5年使ってもらう想定をしていたコートでも、ファッション性が高いモノだと人によっては毎年新しいモノを購入しているかもしれません。しかしメルカリと連携することで、その商品がどのようなライフサイクルで二次流通に回っているのかを把握することが可能になります。

 また、商品のライフサイクルだけでなく商品を購入している方の興味・関心なども理解できると思っています。

MZ:メーカーや小売企業にとってもメリットが大きいと思うのですが、そこでのマネタイズも考えているのでしょうか。

野辺:データ連携によるマネタイズは考えていません。連携によって、メルカリにおける顧客体験がよくなるのであれば、メーカーや小売企業の皆さまに対し我々の持つデータを積極的に開放したいと考えています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/04/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33211

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