電通デジタルでの試行錯誤をもとにソリューション化
――コロナ禍において、BtoB領域のウェビナーやオンラインイベントが本当に増えています。今回、電通デジタルさんがリリースされたオンラインイベント支援ソリューションは、実際に御社が実践してきた知見やノウハウを凝縮したものだそうですね。
住岡:はい。この半年、私のチームで試行錯誤して得たオンラインでのBtoBマーケティングの実績をもとに、ある程度の“型”に落とし込んだものです。
住岡:単にウェビナー実施を支援するのではなく、ウェビナーやオンラインイベントを今後のBtoBマーケティングにおける有力な手法と捉えて、施策全体をプランニングして集客から事後のフォローアップまでをサポートします。また、長期ではなく短期的に伴走させていただき、半年程度で企業が自走できるように仕組み化している点が特徴です。
――電通デジタルの体制と、コロナ禍における変化についてうかがえますか?
住岡:電通デジタルには大きく広告事業と、私が所属するソリューション事業という2本の柱があり、昨年から統合デジタルマーケティング部という傘の下でシナジーの創出に取り組んでいます。
ソリューション事業ではこの2年ほど、主にリアルの場でのセミナー開催やイベント出展を通してマーケティング活動を行ってきましたが、我々も他のBtoB企業様と同様に、コロナ禍に突入して以降の対応が一気に難しくなりました。
そこで、以前から模索していた営業/マーケティング活動のデジタルトランスフォーメーションを、今年に入って加速させました。
BtoBマーケのオンライン化を阻む3つの課題
――その活動が、今回のソリューション化につながったわけですね。
住岡:そうですね。4月からウェビナーなどを開始し、地道にPDCAを回すことで落ち込みを防げました。同時に、コロナ禍におけるBtoBマーケティングの課題や、ウェビナーやオンラインイベントでリードを獲得して成約につなげるまでのある程度の定石もつかめてきました。そこで、その知見とノウハウをご提供できないかと考えました。
――BtoBマーケティングは、セミナーや展示会でリードを獲得するところから始まるのがこれまでの定石ですよね。それをそのままオンライン化してもうまくいかず、今まさに苦戦している企業が多いと思います。リード獲得における共通の課題は何でしょうか?
瀬戸:前提として、BtoB領域はBtoCに比べて、マーケティングより営業が強いという側面がありますよね。現在でも「マーケティング部」という部署がない企業も多いですし、営業担当者の個人の力に頼る部分が大きいと思います。また、リード獲得からクローズまでのプロセスも長いです。
瀬戸:それをいかにデジタル化するか、という観点では、3つの大きな課題があると考えています。
ひとつは、セールスのノウハウがとても属人的なこと。まず、個人の力を可視化して抽出する必要があります。2つ目は、そのセールスノウハウをデジタル上のコミュニケーションに転換すること。そして3つ目は、デジタル化したセールスのノウハウを活用し、運用する体制や環境を整えることです。