2019年に始動した、DX推進プロジェクト
——はじめに、お二人がご担当されている業務について教えてください。
谷口:私と向井は、会社でのデジタル化を推進する立場として、デジタルマーケティングの施策立案、実行に取り組んでいます。
元々私はNTTコミュニケーションズに在籍していたのですが、そこでデジタルマーケティングによる成功モデルが徐々にできてきたため、グループ会社でも展開しようという流れになりました。それで私がNTTコミュニケーションズからの出向という形でNTTPCに着任し、そのタイミングと時を同じくして、2019年7月にNTTPCで「DX推進プロジェクト」が立ち上がりました。
今チームとしては2つのミッションを担っています。1つ目は「通年のデジタルマーケティング施策の実行」です。見込み客の獲得、インサイドセールスによって質の高い商談案件を創出することで、営業効率の最大化に貢献することを目標としています。
2つ目は、それら施策で生まれた顧客接点から受注までの「営業プロセスの可視化」です。誰もが簡単に数値を分析して、営業活動やサービス活動に役立てられるようになることを目指して活動しているところです。
向井:同じく出向の身なのですが、私の場合それまでデジタルマーケティングとは関係ない部署に在籍していて、谷口が着任したタイミングでの異動となりました。
谷口が来る前のNTTPCの内情をお話しすると、これまではデジタルで営業プロセスを可視化するような仕組みが整っておらず、問い合わせがあっても、その人がどういう経緯で流入してきたのか、どの施策の効果によるものかが十分に見えていない状況でした。
フォームはちゃんと用意していて、1日数十件の問い合わせは入るのに、それをデータとして蓄積・分析する文化がそもそもなかったんです。イベントに出展して名刺を獲得しても、特に活用することがない状況を続けていました。
DX推進の第一歩としてMAの導入を検討
——NTTPCのDXを推進するために、お二人が抜擢されたのですね。着任後は、どのようにDXを推進されていったのでしょうか。
谷口:まず先述した2つのミッションを遂行するために、MAツールの導入を検討しました。いくつかのツールを比較して検討したのですが、最終的にHubSpotを選びました。HubSpotを選んだのには、いくつかの理由があります。まずは予算的な面。NTTコミュニケーションズでは他のMAツールを使っていましたが、運用コストを考えるとNTTPCの予算内でまかなうのは難しかったんです。
また、導入してもツールをフル活用できなければ意味がありません。自分たちでの運用を前提として考えたとき、ツールを実装したあとのフォロー体制が弱いものも多い中で、夏休み期間中に個人的にいじってみた「HubSpot CRM」の使い勝手がよく、自分でできそうと思えるUIであったことも大きかったですね。
MA導入の目的が単純にメルマガを配信して、MQLを獲っていくことだけなら違ったでしょうが、お手頃な価格、使いやすいUIを備えながら、自分たちがやりたかった公式SNSの立ち上げやキーワード広告の管理など、それ以上のことまでできるツールを探したところHubSpotが総合的に一番使えるプラットフォームだと判断しました。
向井:実際、導入後はこれまでにマーケティングツールを使ったことのない私でも問題なく運用できています。これは、わかりやすいUIと充実の機能、それと手厚いサポートが大きいと思っています。個人的によく使うのがチャットを使ったサポート機能で、ちょっとした疑問もすぐに解決できるのはありがたいです。
谷口:MAツールとして基本的な機能が、マニュアル不要で直感的に使えるというのはありますね。また機能面だけでなく、HubSpotが掲げている「インバウンド」の思想、つまり顧客から先に価値を引き出すのではなく、こちらからいかに価値を届けていくかという考え方に感化されたのも大きいですね。
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