※本記事は、2021年4月25日刊行の定期誌『MarkeZine』64号に掲載したものです。
コミュニケーションスタイルに注目し、Z世代の特徴を考える
電通デジタル サービスマーケティング事業部 YNGpot. リーダー/プランナー 佐々木 駿氏
電通デジタル ソリューション戦略部 YNGpot. アナリスト 榎本文美子氏
電通デジタル 統合デジタルマーケティング部門 YNGpot. プロデューサー 上西広弥氏
電通デジタル サービスプロセスデザイン事業部 YNGpot. プランナー 石垣杏菜氏
電通デジタルのデジタルネイティブ世代特化型マーケティング専門チーム「YNGpot.(ヤングポッド)」では、デジタルネイティブ世代のリアルなインサイトを捉えるために、定期的に定量調査や定性調査を行っています。本記事では2020年9月28日に発表した「コロナ禍におけるデジタルネイティブ世代の消費・価値観調査※1」の結果を活用しながら、特にZ世代に着目し、彼らの性格にどんな特性があるのか、また、コロナ禍において何を考えているのかを紐解いていきます。
Z世代とミレニアル世代はどちらもデジタルネイティブ世代に属しており、この二つの世代は似ている点が多くあります。しかし、二世代間での比較を行うと、Z世代とミレニアル世代には違いがあることが見えてきました。今回はこの違いも交えながら「Z世代」の特徴を考察していきます。なお、世代定義には諸説ありますが、今回はZ世代を15〜24歳、ミレニアル世代を25〜34歳と区分しました。
Z世代の特徴特徴
(1)コロナ禍の今、強く孤独を感じている特徴
(2)トライブリーダーの発信を好む特徴
(3)好きなコト・趣味もコミュニケーション型で楽しむ
コロナ禍の今、強く孤独を感じている
YNGpot.では、Z世代の性格を知る重要なファクターとしてコミュニケーションに注目しています。Z世代には以前から、他世代と比べてデジタル、リアルいずれも周囲の人とコミュニケーション量が多いという特徴が見られていました。ところがコロナ禍において密を避ける生活が求められていることで、彼らは「自分と世界との乖離や孤独」を強く感じるようになっています。たとえば、コロナ禍によって対面コミュニケーションが少なくなってしまったことで、20.1%が周囲の人と「心理の乖離や孤独」を強く感じるようになっています。たとえば、コロナ禍によって対面コミュニケーションが少なくなってしまったことで、20.1%が周囲の人と「心理/ミレニアル世代比13.7pt+)」という結果から、孤独を解消するためのコミュニケーション手段として、より頻繁にSNSを利用するようになった様子が見て取れます(図表1)。
別の設問からは、Z世代のコミュニケーション不足はデジタルだけで解決しきれるものではなく、アナログに回帰していきたい意向も読み取れます。
- ・人との会話は「ビデオ通話やSNS」から対面に戻していきたい(82.8% ミレニアル世代比+1.2pt
- ・早く学校や会社に行きたい(55.0%ミレニアル世代比+16.0pt)
- ・人・友達と会いたい(19.3%ミレニアル世代比+14.6pt)
ちなみにZ世代が離れがちと思われているテレビ番組に関しても、24.7%のZ世代はテレビ番組(バラエティ)をよく観るようになっており、アナログ/デジタル問わずコミュニケーション系のコンテンツを求めていると言えるでしょう。現在の非対面に偏ったコミュニケーションでは人間関係が十分に構築できておらず、孤独感が高まっていることがうかがえます。