大切な趣味と仕事は「補い合う関係」
――望月さんはお仕事の傍ら、音楽活動もしていらっしゃるそうですね。
はい。友人たちとオリジナル曲を作ったり、自分たちでライブを運営したり、プロモーションビデオを撮影したりしています。

最近では自分と同じように働きながら音楽活動もしっかり満喫したいメンバーが集まるコミュニティのような場も運営しています。無限にリソースをつぎ込めるわけではないので、プライオリティを決めて、タイムラインを引いてタスク管理をするなど、仕事で得られたプロジェクトマネジメントのスキルをここでも活かしていますね。歌をやるようになったきっかけは、ベトナムに住んでいたときです。初めから英語が話せたわけではないので、どうやって現地のコミュニティに入っていこうかと考えていたのです。そこで、日本の歌を歌ってみたら、とてもリアクションが良く、それから友達も増えていきました。元々歌うことは好きでしたが、生涯をかけて大事にしていこうと決めたのはこのときです。音楽は、ミュージシャンだけでなく、たくさんの人たちが関わって作ります。ライブハウスの方や、音響エンジニアの方と、いろんな職能を巻き込まないとできない活動なんです。特にコロナ禍ではこれまで通りの音楽活動が難しい現実もあるので、新しい楽しみ方や披露の仕方を見出していくクリエイティビティも求められます。ここでも、三方よしの言葉の通り、関わる人たちの才能をコラボレーションし、みんながハッピーになれるようにと振る舞っています。仕事と音楽、一方で得た経験は、もう一方で活かせるもので、相互補完の関係だと感じます。

――終わりに、これからのビジョンを教えてください。
自分の情熱や嗅覚を大切にしながら、世の中へ新しいライフスタイルを提案し、大きなビジネスインパクトを残したいです。Facebook社では、キャリアをジャングルジムにたとえて話すことがあります。私はこれまでキャリア形成について、ハシゴを一段ずつ上っていくようなイメージを持っていたのですが、今は、自分の興味や伸ばしたい強みに応じて、縦横無尽にフィールドを選んでいくことは、マーケターのキャリアを深めたり広げたりすることに活きてくると考えるようになりました。
良くも悪くも、世の中は本当に変わっていきます。特にコロナ禍は自分のキャリアに大きな影響を与え、想像していなかった方向へとシフトさせました。しかしながら、自分が大事にしていることは変わっていません。世の中に前向きなインパクトを起こしたいと考え、それに対する自分自身の情熱を信じること。一緒に働く人たちや社会を大事にしたいと思うこと。この軸がブレなければ、今後もいろんな可能性が広がっていくと考えています。