ダウンロードするまでの“摩擦”を取り除く
MZ:では、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?
室橋:ブログ記事を読んで、より詳しい資料がほしい、無料機能を試してみたいと思ったのに、ダウンロードボタンがどこにあるのかわからなかったり、ダウンロードするまでの手続きやページ遷移が煩雑だったり、どんな資料なのか中身が全然わからなかったら、がっかりしてそのまま離脱してしまいますよね。こうしたフリクション(摩擦)を減らしていくために、CTAの配置場所やテキスト文言、バナーデザインなど諸々の設計や改善を行っています。
たとえばブログ記事は一つひとつ熱量をもって制作しているので、1記事で7,000字を超えるものも多々あります。記事を読み進めるうちに、「もっと詳しく知りたい」と思う方がいて、当社側で役立つオファーを提供していたとしても、ダウンロードの導線が記事の一番下にしかない場合、何度もスクロールしないとたどり着けません。
そうした摩擦を解消するためには、ブログ記事の一番上、中段、最後にダウンロードへの導線を設定する、CTAを配置する際はテキスト・バナー画像など最適な表現を選んで表示するといった施策を行います。詳しい情報が欲しい方も、じっくり読んでから資料を見たい方もいれば、最初だけさらっと読んでダウンロードする方もいるので、適切な見せ方・適切なタイミング・適切な表現で提示していきます。
1年間でブログ経由のリード数が約3倍、CVRは約1.5倍に
室橋:現在「HubSpot 日本語ブログ」には約900の記事があるのですが、私が入社してから今年(2021年)4月末まで593記事に対して改善策を実施しました。CTAの位置やテキスト・画像クリエイティブを見直したり、コンテンツが古い記事・オファーを完全に作り直したり、オファーがない記事は新たに制作したりなど、ブログ記事とオファーの連携を図りながら改善を進めました。
新しい記事を制作する時には、「ブログ記事とその受け皿であるオファーがきちんとそろっている」という状態になるよう企画を進めています。
MZ:大変な作業ですね。そうした施策により、どのような成果が得られたのでしょうか。
室橋:2020年の5月から2021年の3月末までの成果ですが、ブログ経由のリード数は、CRO施策以前の3倍になりました。またコンバージョン率に関しては以前の1.5倍となっています。
CROは「数」と「質」で進める
MZ:ここからは、より具体的なCROの進め方について伺っていきます。約900記事のうち593記事の改善を行ったという話でしたが、具体的にどのように優先順位を付けて進めていったのか、また記事以外のランディングページ(LP)に対して行った施策についても教えてください。
室橋:大きく「数のCRO」と「質のCRO」の2つに分けて進めました。
数については、そもそもオファーのコンテンツが古かったり、本来あるべきコンテンツがなかったりという課題を抱えていたので、日本語ブログの編集長と連携し、新しく制作したり、リニューアルすることで対応しました。
これらの新しいオファーをダウンロードしていただく動線を、約600記事に展開することで「数のCRO」を実行しました。
室橋:質については、CVRを高めるためLP改善を行いました。テストを繰り返し、最もダウンロードされやすいパターンを見つけたら他の記事にも横展開していくことで、オファー利用の流れが大きく改善できたと思います。
\あわせてどうぞ!/
「コンバージョン率最適化(CRO)基礎完全ガイド」を無料配布中
ウェブ分析の第一人者である小川卓氏&HubSpot事例から学べる「CRO基礎完全ガイド」を無料配布中です。CROの実践に欠かせない「DMAIC」や具体的な実践手順、役立つツールなど、CROの基礎~実践までをわかりやすく解説。この機会にぜひご活用ください!
★「CRO基礎完全ガイド」の無料ダウンロードはこちらから