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SNS起点で生まれるマーケティングトレンド

知っていますか?SNSでの「売り」を大きく左右するレビューインフルエンサー


Instagramは壮大なクチコミプラットフォーム

 レビューインフルエンサーと特に相性が良いプラットフォームとして挙げられるのが、Instagramです。理由は大きく2つあり、第一に、ビジュアル中心のプラットフォームのためInstagramを利用しているユーザーの興味関心がコトよりもモノに寄りやすいため。第二に、購買行動に直結するプラットフォームへと進化するためのアップデートをInstagram自身が積極的に進めているためです(ここ数年でショップ機能や決済導線の強化を推進)

 こういった背景があり、Instagramはすでに壮大なクチコミプラットフォームになっています。さらに「よし! クチコミをチェックするぞ」といった目的意識を持った行動ではなく「なんとなく見ていて気になったから」といった自然な感覚で人々の行動に溶け込んでいるのです。多くの人のInstagramでの行動パターンは概ね以下の図のようなパターンになっています。

図:一般的なInstagramの行動パターン
図:一般的なInstagramの行動パターン

 重要なのは、このような行動を暇さえあれば毎日やっている人が多いという点。クチコミを調べる、売り場に行く、など目的意識をともなう行動は、購買の検討段階に入らないと普通は起きません。ですが、Instagramでは多くの人が毎日のように壮大なクチコミプラットフォームになんとなく触れ、ピンときたらサクサク「保存」しています。

 人々の普段の生活動線に入り込めた方が、より多くの人々に検討の俎上に上げてもらいやすくなります。このように、コロナを通して変わってきた人々の行動様式に則ったマーケティングの最適化が求められています。

レビュー投稿で最も重要なのは「正直さ」

 では、良いレビュー投稿はどうしたら作れるのでしょうか? 実際にレビューインフルエンサーに依頼するケースを想定し、外してはいけないポイントを3つご紹介します。

 まず、最も重要なのは「正直さ」の担保です。レビューする人が過剰な評価をする、嘘をつくもしくはそのように感じさせてしまうと、人々はそのレビューインフルエンサーの投稿を二度と信じなくなります。つまり、投稿する側にとって正直にできるかどうかは重要な問題なのです。

 そのため、レビューインフルエンサーは企業案件を受ける際に「正直さ」を担保できないと大きなリスクを負ってしまうということを理解すべきです。たとえば、実際に商品を使ってみて、あまり良いと思わなかった場合は、いまいちだと思った理由や課題・改善ポイントを投稿してもよいというスタンスや、もしくはあまりネガティブ表現はしたくないという場合は商品使用後でも辞退してもらって構わないといった取り決めが求められてきます。

 ネガティブ面も許容する正直なレビューといっても、悪口や誹謗中傷を書かれるわけではないため、企業にとって大きな不利益にはなりません。結果的に消費者にとって参考情報が増えるわけですから、購買検討は進みやすくなります。

 消費者からすると、販売元であるメーカーからの公式情報は、どうしても「良いことだけを言っているのでは?」と疑ってしまうものです。消費者は「失敗したくない」「騙されたくない」ため、あえてネガティブな情報を「確認」しておきたいという心理があるのです。その時に消費者が最も欲しいと思う情報は何か? それが正直なレビューというわけです。

 2つ目は、個々人の「レビューの型」にのっとること。レビューインフルエンサーは普段の投稿を通していわゆる自分なりのレビューの型を持っています。この型は何度もPDCAを重ねて確立された黄金パターンであるケースが多いので、余計なディレクションはせずに全面的に編集方針を委ねた方が良い結果が得られやすくなります。

 レビューインフルエンサーの「普段の型にのっとって上手くいくかどうか?」はオファーをする前に1人1人の型をあらかじめ把握しておき、上手くハマりそうであればその期待を持ってオファーを伝えることでお互い気持ちよく仕事ができるはずです。

 3つ目は、「WHY」を明確に持つこと。レビューインフルエンサーは毎日毎日多くのオファーDMを受け取っています(それこそ報酬の無いものまで含めると想像を絶する量)。そして、それらのオファーの多くはジャンル・系統の絞り込みをしただけのリストに対して「一斉送信」されているものが多いのが実情。そういった一斉送信DMは、受け取る側からすると「自分である必要は無い」と捉えられるため、スルーされることになります。

 2つ目のポイントの通り、個々人のレビューの型や普段の投稿傾向を観察した上で、今回の商品をレビューしてもらいたくなった理由=「あなたである理由」を明確に伝えることができれば、良い関係性、良い結果が得られるでしょう。

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この記事の著者

森竹 アル(モリタケ アル)

 スパイスボックス 取締役副社長 事業統括責任者。2006年にスパイスボックス入社。プロデューサーとして大手自動車メーカー、食品メーカー、ゲーム会社等のデジタルマーケティングを支援。2013年、プロデュース局局長就任。すべてのクライアントワークを統括。2016年以降は、ソーシャルメディアを中心に「共感」と「話題」を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/12/16 18:55 https://markezine.jp/article/detail/37889

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