※本記事は、2022年3月25日刊行の定期誌『MarkeZine』75号に掲載したものです。
VRの認知率は90%超え
VRとは「Virtual Reality」の略で、日本語では仮想現実ともいわれている。専用のゴーグルで視界を覆うことで、流れている映像空間の中にいるような感覚を得られる技術だ。はじめに登場したのは2014年のスマホを利用したVRデバイスだが、その後ゲーム機やPC用のVRデバイスが続々登場し、急速に広がった2016年が「VR元年」と呼ばれている。
2019年のマクロミルによる「VRに関する自主調査」では、VRという言葉の認知率は90%を超えており、総務省の「令和3年版情報通信白書」では、今後の市場規模はさらに拡大していくと予想されている。
では、どのような人たちが、どのような目的でVRデバイスを使用しているのだろうか。今回は、VRデバイスを保有しているユーザーの特性を明らかにし、今後の使用用途について考察する。
全国3万人に約130ジャンルに及ぶ、所有/嗜好ブランドなどを聴取し蓄積している「ブランドデータバンク」から、VR・ヘッドマウントディスプレイを所有していると回答した20〜60代(n=478)と、20〜60代全体(n=29,144)のスコアとを比較し、「VRデバイス保有者」の傾向を明らかにしていく(※自分で購買している点を重視し、10代を省いた20〜60代に絞っている)。
男性ユーザーが多数、お金に余裕のある未婚20〜40代がメインユーザー
最初に、属性から「2021年のVRデバイス保有者」の理解を行う(図表1)。
性年代では、男性の20〜40代がボリュームゾーンであり、平均年齢は41.7歳で全体平均−4.3歳となっている。職業では会社員の割合が高く、副業をしている人の割合も高いことから全体よりも高所得者層であることがわかる。
ライフスタイルでは、家族構成に両親が多いことから、実家暮らしだと考えられる。未婚・実家暮らし層であるため、貯蓄も1ヵ月に自由に使える金額も全体より高い値となっている。また、VRデバイスでゲームをする上で2メートル四方のスペースが必要な場合もあるため、スペースの確保がしにくい一人暮らしよりも、実家暮らしの人が多くなっているのではないかと予想される。