「FORGE Japan 2022」は“体験”の場
「FORGE」という単語には「鍛冶場」や「精錬所」という意味がある。昨今マーケティングは多様化していて、一つの正解があるわけではない。菊地氏はFORGEというイベントについて「企業が様々なアイデアを持ち寄って見せ合い、それを精錬所の中で叩き合うことで、新たな知見を紡ぎ出し伝播していく場にしたい」と開催への思いを語る。
今回のイベントは「カスタマーエンゲージメントの最先端を体験する」というキーメッセージの通り「体験」にフォーカスしている。菊地氏は「来場者のみなさんには『イベント全体を体験してほしい』」と強調する。
「最近はイベントのオンライン開催が非常に増えています。マーケティングの戦略としても、いかにオンライン上で顧客にアプローチするかといった知見が増えました。一方、今、顧客が店舗に回帰しようしています。アフターコロナの購買体験をどう作るべきか、模索されている企業も多いです。そこでFORGE Japanでは、会場でモバイルデバイスとビーコンとの連動も含めた、リアルの空間におけるデジタルエンゲージメントを体験していただこうと考えています」(菊地氏)
カンヌライオンズ3冠、あのキャンペーンを実際に提供
では、実際に会場ではどんな仕掛けを体験できるのか?
驚きの体験は、事前にBrazeのアプリをダウンロードするところから始まる。事前にライドシェアアプリ「nearMe.」をダウンロードし、アプリから乗車予約をすれば、先着100名に、東京・品川駅近くの指定場所から会場までのオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」を無償で利用でき、実際のカスタマーエンゲージメントを体験することができる。さらに、会場が近づくとポップアップデロケーションが表示され、会場までのスムーズなモビリティ体験が設計されている。
会場に到着すると、事前にダウンロードしたBrazeアプリを通して「一人一人へのおもてなし」がなされる。イベントに参加すると漫然と情報を浴びて「なんとなく楽しかった」で終わってしまうことも少なくない。だからといって、主催側が来場者一人ひとりにつきっきりでアテンドするのは難しい。そこでBrazeアプリでは、二次元バーコードを読み込むとイベントが発生したり、催し物を見るとビーコンと連動してアプリでクーポンをゲットできたり、また特定のエリアに行くとメッセージが届くなど、一日中デジタル上のおもてなしを受けられる仕組みを作った。
これらの体験はすべて、来場者それぞれの属性・行動に合わせてリアルタイムでエンゲージメントする。そのため、同じ場所にいても隣の人とは違う体験ができる。
ちなみにこのアプリは、イベント専用アプリではない。あくまでBrazeのアプリなので、イベント終了後もこのアプリを通して改めてプロダクトや事例について調べることができる。
Brazeアプリのダウンロードを強くおすすめする理由がもう一つある。イベントの種明かしになってしまうが、当日体験できる仕掛けとして、バーガーキングが米国で展開しカンヌライオンズ3冠に輝いたキャンペーン「Whopper Detour(ワッパー・デツアー)」が用意されているのだ。
ライバル店に近づくとバーガーキングのワッパーを1セント(約1円)で食べられるクーポンが提供されるというもの。知識としてご存知の方も多いだろうが、実際に体験した方はどれだけいるだろうか?