パーパスをきれいごとで終わらせないために
──最後に、パーパスをきれいな絵空事で終わらせないために、パーパスブランディングに取り組んでいる企業の方へ一言ずつアドバイスをお願いします。
山口:繰り返しになりますが、パーパスは企業の本質です。その本質は何かを問う言葉は必ずあるはずなので、それを見出すことですね。本当にその言葉が本質的であれば、事業や社員に浸透していきますし、企業カルチャーや行動を変える力があるはずです。なぜかと言えば、みんながパーパスを信じられるから。その信じる言葉を作ることが重要だと思います。
佐々木:コミュニケーションの側面から1つ補足をすると、実はダンス映像だけでなく、実際にパナソニックコネクトの社員が現場をどのようにつないできて、どのように未来につなげていくのかを表現した事例映像も用意しているんです。パーパスをしっかり現場が昇華している姿を同時に描くことで、絵空事ではなく、現場にパーパスが根付いていることが生きて伝わってきますし、実感できるようになると考えています。
イナモト:CMにしても、ひと昔前なら何か素材を使ったらそれを様々なメディアで展開して終わり、というパターンでした。しかし今では、軸をしっかり打ち出した長尺の映像があり、実際の事例紹介映像があり、社長の樋口さんの書籍や講演、山口さんの講演、コネクトからの発信など多様な行動のなかにパーパスが浸透している。こういう立体的な進め方もポイントだと思います。
山口:そうですね。パーパスは企業活動全部につながっている。私もそう感じています。
