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「完全栄養食」市場を開拓し続ける、ベースフードの戦略

5年間での市場拡大は戦略通り

——2022年2月の定期購入者数10万人突破というプレスリリースの中で、特に直近2年間で数の伸びが加速したとありましたが、その理由として何が考えられますか?

 確かに定期購入者数推移のグラフを見ると急伸したという印象がありますが、販売開始から年間で3倍の成長を続けてきただけなんです。だからある意味、戦略通りとも言えます。

 3倍の成長というのは、10が30になり、30が90になり、90が270になることです。270から90を引けば、その差は大きいので目立ちますが、ビジネス的に見たら最初の10から30という伸びにも大きな意義があると捉えています。

——20〜40代までバランス良く幅広い年代に受け入れられているようですが、ベースフードではご自身のプロダクトの顧客像をどのように定義されているのでしょうか。

 主食という製品なので、ターゲットや顧客像はあまり意識していません。米のターゲットは誰かと言えば日本人全員で、みな食べていますし、パンのターゲットも同じです。私たちの製品は「今までのように麺やパンなどの主食を食べ続けるだけで栄養バランスがとれ、自然と健康になります」というものなので、そこを目指しているという感じですね。創業当時から掲げている「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」というミッションを実行し続ければ、それにしたがってマーケットサイズも大きくなると思います。

——逆に、ユーザーの年代によってベースフードのプロダクトに求める便益が変わることはあるのでしょうか。

 年代というより、人々のニーズをどこまでミクロに見るかで違ってくると思います。たとえばカレーパンが好きな人、チョコパンが好きな人、食パンが好きな人というのは食文化の違いであり、年代もそうですが普段の食生活も影響するでしょう。また「健康になりたい」という人も、健康というのは手段なので「何のために健康になりたいか」という視点で見れば違ってくると思います。そういう違いはあるけれど、私たちが届けるのは「おいしくて健康に貢献する手軽な主食」ということに変わりはありません。ユーザーが増えて多様化しても、メッセージややるべきことに変わりはないのです。

競合は「ビジョンを共有する仲間」

——ベースフードが開拓した完全栄養食という市場が大きくなっていくにつれ、老舗食品メーカーの参入も進んでいますが、この状況をどうご覧になっていますか?

 試合相手のないサッカーが成立しないように、競争のない資本主義はないので、いろんな会社が参入するのは自然なことだと思っています。

 これを踏まえて状況を俯瞰しても、やっぱり「いいのではないか」と思います。私自身、主食をイノベーションして健康をあたりまえにしたいと思いながら即席麺を食べていた時期がありましたが、そうしたものが完全栄養食になるのであればみんながハッピーだと思います。

 実際、売上利益が大事であれば、そもそもベースフードを創業することもありませんでした。創業したのは主食のイノベーションで人々の健康をあたりまえにしたいという想いがあったからです。なので、他社の参入というのは、競合というよりむしろ「賛同」に近いイメージがあります。

 ガラケーからスマホになったように、炭水化物だけの主食から栄養バランスがとれた主食へと流れていく。完全栄養食の市場はスマホのようなもので、完全栄養食への移行が進めば市場も大きくなり、参入企業も増える。そうした意味で、完全栄養食のマーケットを広げていく仲間のような存在です。

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チャネルを横断する顧客

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/25 07:30 https://markezine.jp/article/detail/39710

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