Twitterのアップデートから読み取る3つの傾向
では、Twitterの環境はどうでしょうか。ツイートに外部リンクを設定でき、情報の拡散性が高いTwitterは、自社の情報を発信しやすい環境を元々備えていました。しかしながら「140文字のテキストによるコミュニケーションのみ」という仕様上、企業によるビジネス活用の幅が広がりにくいという側面も。すべての企業が当てはまるわけではありませんが、プレスリリースを発表するついでにツイートしたり、スポットのキャンペーンやプロモーションツールとしてTwitterを利用したりするケースが多く見受けられます。
そんなTwitterですが、最近は機能の拡張が進んでいるのをご存じでしょうか。2021年4月から2022年5月までのTwitterの主要な動きを次の図にまとめました。

「フリート」のように終了した機能もありますが、様々な機能が追加されており、活用の幅が広がりつつあります。アップデートから3つの傾向を読み取っていきましょう。
1つ目の傾向として「発信方法の多様化」が挙げられます。Twitterでは主に、140文字のテキストや画像、動画、GIFなどが投稿されてきました。鍵付きアカウントでない場合、ツイートは誰でも閲覧可能。ゆえに情報の拡散性が強みとされていました。
ところが2021年1月、Twitterはニュースレターサービス「Revue」を買収。そのほかにも「Clubhouse」のような音声ライブ配信機能「spaces」を開始するなど、情報の発信方法を拡張しているのです。さらに、特定のグループ内だけに情報発信できる「コミュニティ」機能や、小さなグループで意見が共有できる「サークル」機能も追加。ユーザーがコミュニケーションのとり方や範囲を選べるようになってきています。

活性化の鍵を握るクリエイターコミュニティ
次に読み取れる傾向が「クリエイターのマネタイズ強化」です。InstagramやTikTok、YouTubeが多くのユーザーを集める理由の1つに、人気クリエイターの存在があります。人気の高いクリエイターが集まることで、そのクリエイターのコンテンツを楽しみたいユーザーが集まり、媒体自体が活性化するからです。
各媒体は人気のクリエイターを集めるため、配信したコンテンツを通じてクリエイターが収益を得られる仕組みを導入してきました。具体的にはコンテンツの再生数と連動した収益配分や広告のレベニューシェア、ユーザーが直接クリエイターにインセンティブを渡す“投げ銭”制度などです。
この流れに乗って、Twitterも「Super follows」と「Tip Jar」という機能を実装しました。Super followsは、ユーザーがクリエイターを有料でフォローするサブスクリプションサービスです。Super followsを利用しているユーザーは、クリエイターの限定コンテンツを見ることが可能。Super followsの利用者であることを示すバッジが付与されるため、クリエイターとのコミュニケーションがとりやすくなります。一方のTip Jarは、ユーザーがクリエイターにチップを渡せる投げ銭機能です。

今後もクリエイターが収益を得やすい環境をTwitterが用意し、人気クリエイターのTwitter活用が進めば、クリエイターのファンであるユーザーが集まりTwitterはさらに活性化するかもしれません。なお、Super followsとTip Jarは日本で未実装の機能です(2022年8月現在)。