昨年比2.5倍の売り上げ!日本初の事業モデル「Outfitter」とは
MarkeZine編集部(以下、MZ):イオン・シグナ・スポーツ・ユナイテッドでは、サッカーなどのチームスポーツ・スポーツバイク・テニスという3つの柱でスポーツ用品のEC事業を展開されています。はじめに、ユニフォームを扱うサービス「Outfitter(アウトフィッター)」について教えていただければと思います。
泊:Outfitterは、3つの柱のうちのチームスポーツ事業です。チームのオリジナルユニフォームをEC完結で作成・購入できるサービスとなります。
特徴として、購入者がユニフォームにスポンサー企業のロゴを入れることで最大50%のディスカウントを受けられる仕組みがあります。ロゴのラインアップとしてはイオンやポカリスエット、カップヌードル、ウエルシア薬局など、11社16ブランドとなっています(2022年8月31日現在)。
MZ:このOutfitterの事業を始めた背景についてお教えください。
泊:Outfitterは、元々ドイツにあった事業モデルです。イオンがドイツで視察を行い、日本にはないビジネス形態であるOutfitterを発見したのがきっかけです。
現在は日本のほうがOutfitter単体の事業規模としては大きくなり、これまでに2万着、2,000チームから受注をいただきました。今年はコロナ禍の外出制限が緩んでいる傾向もあり、去年の2.5倍ほどの売れ行きとなる見込みです。
「店舗でオーダー」という障壁を、ECで取り除く
MZ:チーム単位でのユニフォーム購入は、検討期間が長いプロダクトの部類だと思うのですが、それでもEC完結でここまで売れる理由についてどうお考えですか?
泊:オンライン上でデザイン検討から注文、発注まですべて完結できるという点が、ユーザーフレンドリーなのだと思います。また、Outfitterのサイト上で色やロゴの種類などを変えて、ユニフォームのイメージを手軽にシミュレーションできるようにしています。
やはりチーム単位でユニフォームを購入するとなると、ユーザーにとって障壁が高くなってしまいます。そのため、今までスポーツ用品店へ行って手書きでオーダー用紙に記入していた作業をする必要がないというのは、ユーザー目線で大きなメリットになると感じますね。
泊:それからもう一つの理由として、スポンサー企業のロゴを付けるとユニフォームの価格が最大50%安くなる点が挙げられます。Outfitterではアディダス、ナイキ、プーマといったプレーヤーにはおなじみの有名スポーツブランドを取り扱っているため、聞いたことのないメーカーより買いやすいという要素もあるかもしれません。
特に日本のアマチュアスポーツは、資金難に陥り備品を買う費用が捻出できないチームが全国に多く存在します。そういった背景もあり、EC完結かつ割引を受けられるチームユニフォームというプロダクトは、大きな需要が出たと考えます。