CDP導入フェーズで気付く、想定外の課題・ハードル
現在、インキュデータがコンサルティングを行う中で多いのは、CDPを導入し顧客データの活用をサポートしていくこと。そのコンサルティングを行う中で、関口氏はある課題に気づいたと話す。
「お客様のCDP導入をサポートする中で気付いたのは、データ活用の目論見と実際にデータを取り込んだ後に起こる課題が大きく乖離しているということ。この乖離は、データを取り込むこと自体が目的になってしまっている状況に起因するように思います」(関口氏)
たとえば、「データを取り込んだら自動的に活用が始まるだろう」「データを取り込んだら、分析できるだろう」「CDPにデータを蓄積できれば、CRMも始まるはず」など、実態を捉えぬままデータ活用をイメージで考えている企業はいないだろうか。具体的には以下7つのようなケースが挙げられる。
課題1:データ活用の戦略設計ができていない
「データを取り込んだら、活用が始まる」と考えている企業は多い。しかし、実際には顧客との接点や購買サイクルなどを踏まえ、カスタマージャーニーを描いた上で、データ活用の戦略設計を行う必要がある。これがきちんと設計できていないと、やみくもに取り込んだデータでは、どのように活用するかの具体化が進んでいかない。
課題2:データの深層分析をできる人材がいない
取り込んだデータをただ分析するのではなく、そのデータからどのような顧客像を見出すかという「個客分析」には高度な知見が要される。データを数値としてそのまま見るのではなく、クラスターに分類したり、傾向を見出したりするスキルを社内でまかなうのは難しいことが多い。
課題3:CRMの全体設計を描けていない
CRMについても「CRMツールを入れれば、CRMを実行できる」と考えている企業が多いようだ。しかし、SNSやアプリ、店舗など既存の顧客接点を活用するためにCRMをどう運用するか、という全体設計を描くことがまず重要である。
課題4:CRM活用のロジック・シナリオが設計できていない
CRMの全体戦略を策定した後は、ロジック・シナリオ設計を行ってからMAと連携し、マーケティングの自動化を行っていく。これまでの現場の知見を踏まえながら設計していくことが求められ、専門的な知識が必要となる。
課題5:適切なKPI・KGIが設計できない
KPI・KGIの設定も重要な課題だ。ポイントは、何のためにDXを進めるのか、マーケティング施策をDX化していくのかを明らかにした上で、それぞれの部門に適したKPI・KGIを設計すること。こうすることで、経営陣からの合意も得やすくなり、プロジェクトへのサポートが期待できる。
課題6:売上にインパクトを与えるロジックを構築できない
CDP導入においては、最終的にはビジネスを発展させ、マネタイズに貢献していくことがゴールである。「データを活用すれば、数値に変化が起きる」というようなざっくりとした捉え方ではなく、売り上げに貢献させるためにLINEユーザーを活用する、パートナーと共同でプロモーションを行うといった「データのマネタイズの出口」になる新たな施策もあわせて考えていく必要がある。
課題7:デジタル広告の運用に活かす知見とリソースがない
最後に、データ活用の目的として、デジタル広告の運用に活かすことを考えている企業も多いだろう。購買データを分析し、ターゲット層の精度を向上させ媒体を選定する、MAでone to oneマーケティングを実現するためにデータ連携を設計するなど、デジタル広告運用の統合的なプランニングに専門的な知識が必要になってくる。
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