処方箋2「営業を企画段階から巻き込む」
エバーグリーンなコンテンツの重要性は理解できても、いきなり作るのは難しい。そこで谷風氏は制作に必要な3ステップを次のように紹介する。
1.まずはトレンドフォローのコンテンツを提供し、会社と商材を認知してもらう
2.商談を成功させて事例を作る
3.商談の成功事例を複数得られたら、そこからエバーグリーン要素を掘り起こす
谷風氏は「まずはトレンドフォローなコンテンツでも良い」と語る。トレンドフォローなコンテンツを通じて獲得した商談を1つでも多く成功させて事例を増産する。事例が積み上がれば、徐々に「顧客が我々に感じている価値」が浮かび上がってくるので、そこからエバーグリーンコンテンツにつなげていけば良いというのだ。
また、エバーグリーンコンテンツを作る際、谷風氏は「営業部門の人間を積極的に巻き込むべき」と強調する。営業部門は顧客から悩み相談を受けることが多く「顧客の本質的な課題は何か、それに対する我々のソリューションは何かをよく知っている」と谷風氏。そんな営業担当者を企画の段階で積極的に巻き込むことで、より良質な「顧客に役立つコンテンツ」を作ることができるわけだ。
「営業担当者をコンテンツ作りに巻き込むと『当事者意識』を持ってくれるというメリットもあります。具体的には、商談の場で積極的にコンテンツを活用してくれたり、それで商談がうまくいくとマーケターに感謝してくれたりするのです」(松井氏)
処方箋3「コンテンツはリサイクルする」
処方箋の3つ目として、谷風氏は「コンテンツは再利用(リサイクル)しても構わない」と提唱する。「BtoB商材は単価が高いため、BtoC商材のように即断即決とはならない」と谷風氏。つまり、コンテンツをリリースしたタイミングと顧客のニーズが発火するタイミングは合わないことが多いのだ。
「それなら次々と新しいエバーグリーンコンテンツを」と言いたいところだが、エバーグリーンコンテンツを量産するのは容易なことではない。そこで谷風氏と松井氏は、同じエバーグリーンコンテンツを何度も再利用する方法を提案する。
「人と媒体には相性があります。メルマガとセミナーの双方で同じ内容のものを伝えたとしても『メルマガを読んだだけでは腹落ちしなかったが、セミナーで聞くと大変共感した』という人もいる。『このコンテンツ、前にも見ました』と顧客から言われれば、その方の脳に刻まれたという証拠なので素直に感謝すればよいのです」(谷風氏)
「セミナーを開催しても、お客様がその時間を確保できるとは限りませんし、アーカイブにしても全員が見るわけではないでしょう。せっかく作ったコンテンツは資産と捉え、セミナー内容をブログに書くなどコンテンツの形を変えて、より多くの方に届けるようにしています」(松井氏)
谷風氏は「ぜひ今回ご紹介した3つの処方箋を念頭に置き『ありがとう』と言われるコンテンツ作りにじっくりと取り組んでほしい」と語り、セッションの結びとした。
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