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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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ソーシャルリスニング2.0 - TwitterからはじめるSNSのデータ活用

信頼性をいかに伸ばすか。UGCが売上につながる仕組みとデータ分析で見つけたい文脈

指名検索に必要な「質の高い認知」をUGCから獲得する

 指名検索を得るには、自社について知ってもらう必要があります。しかし「ただ知ってもらう」だけでは、指名検索へと至る可能性は低いでしょう。

 そこで鍵となるのが、「質の高い認知」を獲得することです。質の高い認知を獲得するには、UGCを増やすことが近道となります。

 「UGC=クチコミ」を発生させ、増やしていくことは、「情報の信頼性」という観点からいっても重要です。

 ニールセン株式会社が2015年に発表した調査によると、34歳以下・50歳以上の異なる世代間で、「友人や家族の意見」は最も信頼できる情報源となっています。

 34歳以下の人たちに関しては、信頼できる情報源の第3位は「インターネットに投稿された消費者の意見」つまりクチコミであることもわかっています(参考:「日本人はどのようなメディアを信頼するのか、若者が共感できる広告のテーマはなにか」ニールセン デジタル株式会社)。

 また、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社(現デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)のTMTグループが行った「デジタルメディア利用実態グローバル調査 2014」によれば、世界各国において「家族、友人、知人からの推薦」が最も人の購買決定に影響を及ぼすことがわかりました(参考:「デジタルメディア利用実態グローバル調査 2014(PDF)」デロイト トーマツ コンサルティング株式会社)。

 つまりUGCには、情報の信頼性はもちろん、ユーザーの意思決定や購買意欲を向上させる効果もあるのです。

 2022年現在の情報環境を踏まえても、UGCの重要性は高まっています。もはや「情報の99%は届かない」といっても過言ではありません。2010年にIDCが発表した資料「The Digital Universe Decade – Are You Ready?」によれば、2020年にはデジタルデータ量は約35ZB(ゼタバイト)に到達すると予想されていました(参考:The Digital Universe Decade – Are You Ready?(PDF)」IDC)。

 ユーザーが「自分に必要な情報かどうか」を無意識に取捨選択するような情報環境になっているからこそ、信頼性の担保や購買につながるUGCを増やし、指名検索を獲得し、マーケティングに活用していくことが重視され始めています

UGCが増えると「情報の切り口が多角的」になる

 ここまで、指名検索を得るには「質の高い認知」の獲得が必要であり、そのためにはUGCを増やし、活用していくことが重要であると解説してきました。

 UGCが増えるメリットは、データ分析の観点からも説明できます。

 第一に、SNS分析は「データ(UGC)」なしには始まりません。UGCが増えれば、分析時に参考にできるデータも増えます次に、UGCが増えれば増えるほど「情報の切り口が多角的になる」ことも大きなメリットです。

 UGCには、投稿主の主観が反映されています。同じ商品のクチコミを出すにしても、AさんにはAさんなりの、BさんにはBさんなりの感想があるため、UGCが増えることは情報の切り口が多角的になることにつながります。また、情報の切り口が多角的になれば、それだけ参考にできるアイデアの幅が増えます。

 企業アカウントがUGCの「お手本」となる投稿を行い、多くのUGC創出に成功した事例として、ホットリンクの支援先であるシャトレーゼ様の「アイスカクテル」が挙げられます。

 施策が生まれるきっかけとなったのが、UGCの分析です。

 数あるUGCを分析したところ、SNS上でアイスカクテルが流行中であると発見したことから、投稿のアイディアが生まれました。UGCの分析からいち早く流行のネタをキャッチし、施策に反映したことが成果につながった好事例といえます。

次のページ
UGCを増やすために見つけるべき「流行・文脈」と分析手法

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この記事の著者

辻 元気(ツジ ゲンキ)

株式会社ホットリンクのデータアナリスト。2018年に入社し、ソーシャルリスニングツールのセールス・カスタマーサクセスに従事。現在はSNSの分析を強みに、大手企業アカウントのコンサルティングを複数社経験。ホットリンク社内の分析スキル向上も推進。分析のなかでも、エンタメ業界のトレンド分析が得意。音楽やアニメなど、エンタメ業界に関する社外向けの業界調査リリースなども行う。

Twitter:@Genkitsuji01

株式会社ホットリンク

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/10/18 07:00 https://markezine.jp/article/detail/40164

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