タイミングを見計らった提案で申し込み完了率を約2倍に
三つ目のポイントは「ユーザーがこちらの提案を聞いてくれるタイミングがあること」。新しい商材を売り込むチャンスが、オンラインにも眠っているというのだ。
同社は金融系のサイトでA/Bテストを実施。明細ページを見ているユーザーに支払額を下げる方法を提案し、ポップアップをたどるルートを用意した。その結果、申し込み完了率が250%に上昇したという。また為替ページを見ているユーザーに外貨サービスの案内をしたところ、こちらも取引の申し込み完了改善率が140%に上昇したそうだ。
「誰にでもお勧めするのではなく、困っていそうなユーザーに気づきを与えるのが重要」と深田氏。商品詳細ページ上を回遊しているユーザーに対して、数秒後にチャット機能の案内をしたところ、チャットの起動率が上がり、不安が解消されたことで購入増へとつながるケースもあったという。
「オフラインでもオンラインでも、適切なタイミングで適切な情報を出すことが肝心な点は変わりません。声かけ・質問・案内といった実店舗の接客から学べることは多いです。当社ではポップアップをつなげて一つのストーリーに仕立てるよう提案することで、ユーザーの状況に合わせた“リアルタイムな声かけ”と“スムーズな案内・誘導”を、オンライン上で実現。我々はこの流れを『マルチステップWeb接客』と呼んでいます」(深田氏)
ユーザーを先回りするサイトで一石三鳥
「つまずきを潰す」「こちらから解決方法を提示する」「耳を傾けてくれるタイミングを考える」これら三つのポイントを押さえることで「ただCVRが向上するだけでなく、付加価値が生まれる」と深田氏は語る。
「様々な観点でのA/Bテストを通じ、ユーザーがつまずいている箇所や、ユーザーが傾聴してくれるタイミングを把握する。つまり、企業側の顧客理解を深めるわけです。またユーザー側も『気の利くサイトだ』と認識するため、顧客体験が向上。三つのポイントを押さえれば、一石三鳥の効果が得られるのです」(深田氏)
同社ではポップアップに関するアンケート調査を実施した。ユーザーが“丁度良い”と思うタイミングでポップアップを掲出しなければ、顧客体験の質の低下を招きかねないからだという。
調査の結果、ポップアップで受けた悪い体験として「×ボタン」に関する回答が多く挙がったことを踏まえ、深田氏は「×ボタンが押しやすくなるよう設計することが重要」と話す。
深田氏は「ポップアップの×ボタンの設計のように、これからはユーザーを“先回り”するサイトが求められます。また、一人ひとりのユーザーの行動から、最適なタイミングで『声かけ(Web接客)』を行うことで、細かなつまずきを防止することも不可欠です。実店舗のような質の高い体験を提供できるWebサイトを、ぜひ一緒に実現しましょう」と語り、セッションを締めくくった。
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