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【特集】2022年の急上昇ブランド~本質的なブランディングの核に迫る~

事業成長を通じて社会課題を解決する。味の素グループが全社で取り組んできた「ASV経営」の現在地

事業を通じて社会課題を解決する。味の素の根幹にある「ASV」

──ブランド価値と顧客体験の両方が向上している背景には、具体的にどんな取り組みがあるのでしょうか?

森島:味の素グループの経営の根底には「ASV(Ajinomoto Group Shared Value)」と呼ばれる価値観があります。言うなればマイケル・ポーターが提唱したCSV経営の“味の素版”です。事業を通じて世の中の社会課題を解決していく。社会価値と経済価値の創出を重ねていこうという考え方です。この価値観がベースにあることで、新しく2020年に策定した「食と健康の課題解決企業になる」というパーパスも浸透できたと考えています。

 その上で、推進してきたパーパスブランディングのポイントはいくつかあります。一つは、事業軸とコーポレート軸のコミュニケーション活動をつなげてモデル化したことが大きかったと思います。個々の製品がお客様・社会のウェルネスにつながる価値を提供し、お客様がそれを実感することで企業のブランドイメージを上げていく。一方で、たとえば新製品が出たときにも「味の素の商品だから品質的に安心」と思ってもらえるように、企業の信頼が商品の価値をサポートする。この関係をモデル化しました。

 そして、それらの価値を、「企業の信頼を高め製品・サービスをサポートする4つの支援価値」と、「お客様のウェルネスにつながる6つの貢献価値」と定義しました(図表1)。

 また、前社長の西井の時代からブランド会議の議長を社長自ら務めているのですが、経営層がブランディングに関与しリーダーシップを発揮したことで、事業部門とコーポレート部門が今まで以上に一体感をもって取り組めたと思います。

画像を説明するテキストなくても可
図表1:「味の素グループのブランディング」の考え方

──今はASVを基盤にブランディングの活動を見える化して、パーパスブランディングを推進している段階なのですね。

森島:そうですね。パーパスブランディングにおいて大事なのは、従業員、顧客・生活者、株主・投資家の三者だと考えています。従業員が会社の志に共感して納得し、お客様や生活者と価値を共創する。その結果として投資家の評価をいただけるというサイクルです。この要は従業員だと思っていて、だからこそ従業員の腹落ちを大事にしています。

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アクションをベースにパーパスを根付かせる

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/20 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40753

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