食や環境に対する意識を高めるためのマーケティング戦略
──まだ顕在していない食や環境に対する意識を高めていくという観点では、どのようなことを重視してマーケティングを行っていますか?
既に顕在しているグルテンフリーや糖質制限などの機能的ニーズに応え、手軽でおいしくて毎日続けられることを伝える通常のコミュニケーションをとりつつ、まだそこまで顕在化していない食や環境に対する意識を高めることの必要性を伝えるブランドコミュニケーションを大切にしています。
たとえば「「食べる」のぜんぶを、あたらしく。」というメインのメッセージに加えて、2022年後半から「食べるって未来を考えることだったりする。」というコピーも採用し、普段自分が何となく口にしているものが自分や地球の未来につながっていることを感じてもらえるようにしました。自分のために食べているものが、食や環境問題の解決にもつながっていることを伝えようとしています。
ZENBを食べてもらうことで、食や環境問題を自分ごと化できるようなコミュニケーションを目指しています。
──自分ごと化してもらうためには、ユーザーのことを良く理解することが大切だと思います、ユーザーのインサイトを捉えるために、行っていることはありますか?
定量調査と定性調査を組み合わせることで、ユーザーを類型化して捉えていくことを行っています。定量調査としては購入者への定期的なアンケートを、定性調査としてはインタビューを不定期ですが月1〜2回ほど実施しています。
様々なことがわかっていますが、たとえば「ZENBを食べていれば大丈夫」と思っている方が多いことがわかりました。それほどZENBを信頼してくださる方が多いのだと実感しています。
また、「食事に気をつけたいけれど手間はかけたくない」という気持ちの大きさも改めて感じています。食への意識が高いことと、調理ができることはイコールではありません。食事に気をつけたいけれど手間はかけたくないといったニーズを抱えている人が増えていると改めて思いますし、そういう方の選択肢の1つにZENBがあると感じます。

たとえば最近ZENB MEALという商品を出したのですが、この商品は水を入れてレンジで3分温めるだけで食べられるんです。自分の好みに味付けをしたり、ご飯代わりに食べたりすることもできます。今までオートミールの味が好きになれなかったという方からも、これならおいしく続けられるという声をいただいています。
今後はリアルなタッチポイントも重視
──ZENBはユーザーとのタッチポイントとして主にオンラインを活用していますね。この方針についてはいかがですか?
そうですね。立ち上げから丸4年、自社通販からはじまり、Amazonや楽天市場などのショッピングサイトに広げてきました。メッセージを届けるという意味でも、今は基本的にEC中心なので、ネット広告などのコミュニケーションを中心に行っていますが、より多くの方に知ってもらえるような施策を考えているところです。
たとえば今年はリアルにも力を入れていきたいと考えています。通販では買うのを躊躇していた方がリアルなら買おうと思ってくださるケースが多いためです。

これまでも、独自のイベントを開催したり、いろいろな飲食店とコラボレーションしたりしてきましたが、イベントだけでなく、普段の生活で気軽に買えるような場所でも提供できるようにしていきたいと思います。