3:商材の代表として語られるライバル企業を調査する
ブランド立ち上げには競合の調査も当然重要です。たとえば「メンズコスメ界隈で有名なブランドAは、どのような商品で認知を取っているのか」など、UGCから競合の周辺情報を調査することで、マーケティング戦略の確度を高めることができます。
実際にブランドAの名前を含んだUGCを調査してみると、「洗顔」や「乳液」というキーワードが頻出しており、フェイスケア関連の商品を中心に認知を獲得していることがわかります。このことから、ブランドAは主にフェイスケアに関する商材で第一想起を獲得していることが予想されます。
また、「広告」というキーワードも頻出していることから、広告を駆使して認知を獲得していることもわかります。
以上のデータから、ブランドAと新たにスキンケア商材で競うためにはマーケティングコストがかかるため、ベースメイク系の商材を取り上げると良いのではないか、という仮説が立てられます。
4:「思わぬ副産物」から仮説を作る
調査をしていくなかでは、事前の仮説やこちらが調査したいこととは別に、副産物的な示唆を得ることがあります。
前述までの調査の過程では、「メンズコスメ」に関するUGCは、当事者である男性以外にも、女性からも多く出ているということがわかりました。
女性からのメンズコスメに関する言及は次のようなものです。
- 「男性がメイクをすることで、メイクに関して共感してもらえることが嬉しい」
- 「推しの男性芸能人がメイクに挑戦していて尊い」
- コスメ系のインフルエンサーから、男性に向けたおすすめ商品やアドバイス
- 男女の友人同士のメイクに関するアドバイス
これらのデータから、
「男性にとって、メンズコスメに関する話題はまだ一般的ではないため、コンプレックス商材として取り扱われているのではないか」、という仮説も見えてきます。
こうした意外な発見や示唆が得られることはSNS分析のメリットであり、自社が取るべきマーケティング戦略や施策に役立つことがあります。
5:分析結果からマーケティング戦略を立案する
UGCの調査・分析から、下記がわかりました。
- メンズコスメに関するUGC数は年々増加しており、市場は拡大傾向
- メンズコスメのUGC数は多くないため、現状の市場は大きくないが、コスメ全般のUGC数を見ると伸びしろはある
- メンズコスメに関する話題は、スキンケアやベースメイクが多く、ポイントメイクの話題はほとんど上がらない
- 男性特有の肌トラブルの解決に関するニーズも見受けられた
- メンズコスメで最も言及されている競合「ブランドA」は、主にフェイスケア商材に強みがある
- メンズコスメは女性からの言及も多い
これらの示唆を基に立案できる戦略はいくつもありますが、今回は認知獲得の先にある「商品理解を深める施策」を実施すると仮定します。
- 戦略:ベースメイク系の商材を訴求する
- 施策:インフルエンサーを起用し、自社商品の理解を促進する
