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AI合成音声×TikTok広告でCPI30%改善 LIPSに学ぶ、継続利用ユーザーの新規獲得戦略

AI合成音声でユーザーの投稿に広告を馴染ませる

LIPSについて
「LIPS」公式サイトトップより

MZ:「LIPS」の新規ユーザー獲得を目的に、D2C Rと一緒に進めてきたTikTokの動画広告施策において、今回「AI合成音声」を導入したと聞きました。背景をお教えください。

一ノ瀬:LIPS全体として元々メインのターゲットにしていた若年層の女性ユーザーの利用率が上がるにともない、ユーザーの獲得数が落ちてしまっていました。新規層にアプローチしつつ、継続率も上げていかなければいけない。

 そんな中で、動画クリエイティブにAI合成音声を取り入れることをD2C Rさんにご提案いただき、すぐに導入できるものであることと、LIPSの抱える課題にフィットしていることから、導入を決めました。

廣瀬:先ほどもお話しましたように、今の広告は、ユーザーに「広告感を与えない」「違和感を与えない」、つまり「UGC風」が重要なポイントになっています

 最近のTikTokでは、通常の投稿でもユーザーがおすすめのアプリを画面録画しながら、AI合成音声を付けて紹介している動画が主流になっていました。そこから着想を得て、LIPSさんの広告でも音声付きのUGC風を取り入れることで、広告をユーザー投稿の間に馴染ませることができるのではないかと考えました。

久保:TikTokではコメントなどで広告への反応も追えるため、その声や反響をすぐに動画広告に反映させていくことが理想です。

 もし声優さんなどのプロの音声を使用すると、収録の手配に工数やコストがかかってしまい、改善点が見つかった際には、もう一度音声の録り直しを行う必要も出てきます。

 一方、D2C RのAI合成音声は社内で制作しているため、少ない工数かつ低コストでPDCAを回せます。取り直しなどの融通も聞きやすく、柔軟に対応できるため、コスト面で考えてもTikTok上の動画広告においては、有効な手段と考えました。

CPIが30%改善 AI合成音声を使用した自然な動画広告

MZ:実際どのようにAI合成音声を活用しているのでしょうか。

久保:今回の動画広告では、ユーザーの継続率を高めていきたいという狙いから「LIPS」についての理解を深めてからダウンロードしてもらいたいと思っていました。

 そのためには、アプリのベネフィットに興味を持ってもらえるようにする必要があります。LIPSというアプリの機能性やベネフィットをしっかりと認識してからダウンロードするのと「メイク動画が沢山載っているのだろう」といったなんとなくの認識でダウンロードするのでは、コンテンツへの熱量が異なり、ダウンロード後の継続率が異なってくるからです。

 しかし、アプリの機能性をテキストだけで紹介すると、UGC感のあるメイク動画風やコスメ紹介風などのクリエイティブに比べた際に、インパクトや面白みが少なく、広告感も強く出てしまうため、フィードコンテンツに埋もれてしまうという問題がありました。

 そこで、TikTok上で実際にLIPSを使用しているユーザーの投稿を調べ、画面録画にAI音声をあわせて収録している投稿を見つけました。その投稿には多くの再生数があり、いいねが付いていました。

 そこから着想を得て、「LIPS」のアプリをAI合成音声と画面録画を使ってレビューした動画広告にしました。広告は、スマホで画面録画するなど、TikTokユーザーと同じような手順を踏み、なるべく自然になるよう意識しています。

実際にAI合成音声を使用した動画

MZ:AI合成音声を活用したことで、どのような効果や結果が表れていますか。

一ノ瀬:TikTokは、他の動画プラットフォームやSNSと比べても、“音”が重要になっていると思います。一人のユーザーとして考えてみると、Instagramのリールズやストーリーズは音を出さずに見ていることも多いです。しかし、TikTokはコンテンツの“音”が特に大きな要素として感じています。

 実はインハウスでも、アプリの機能性を伝えるような動画広告は何度も挑戦していたのですが、どれもあまりうまくいっていませんでした。ユーザーが慣れた“音”が加わることで、これほど受け取られ方が変わるのだと、社内でも驚きの声が上がっています。

廣瀬:CPI(Cost Per Install)としてはAI合成音声を使用したクリエイティブとそれ以外では最大30%改善された形になりました。また、「LIPS」の効果測定においては、TikTok施策全体での7日間の継続率を重視されているのですが、AI合成音声広告を導入する前と比較して105%改善されており、定量・定性両方での効果を実感しています。

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世界観やインサイトに合わせた音声制作がカギ

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この記事の著者

釘﨑 彩子(クギサキ アヤコ)

 2019年からマーケティング・広告の専門出版社で編集者として勤務。広報・PR分野を中心に編集業務にあたる。2022年よりフリーランスのライターに。媒体問わず、マーケティング、広報、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2023/03/20 11:00 https://markezine.jp/article/detail/41365

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