GAを運用や改善に利用している場合の移行プロセス
GAを運用や改善にまで利用する場合には、前述の基本的な設定に加えて次のようなプロセスを行っていく。旧GAでの設定や取得データを踏襲したい場合には、既存要件の整理→新規要件の追加→それをわかりやすい設計書に落とし込む→GA4の初期実装と初期設定→必要に応じて追加の実装や設定→計測の確認→本番リリースをしてきちんとデータが取れているか確認→運用をGA4に置き換えるというプロセスになる。シンプルな設定であれば1~2週間、きちんと要件を整理したい場合は1~3ヵ月ほど、追加実装を行う場合はさらに1ヵ月ほど移行期間をみておいたほうがよい。
旧GAの要件を整理する際には、それまでどういうことに使っていたかを整理し、それらをGA4でも継続するのか否かを検討する。
「長く使っていると以前に設定したもののもう使っていないコンバージョンなども出てきます。GA4移行の機会にそうしたものを一旦整理し、今はどんな課題があって新たに追加したい要件は何かをリストアップするとよいでしょう。現在の運用ルールや計測を見直す非常に重要な機会だと思います」(小川氏)
初期設定と初期実装については、先述した基本的な設定を行いデータがきちんと取れているか確認をした上で、必要であれば追加の実装や設定を行う。
GA4移行後の必須事項3つ
【1】GA4でのレポート再現に向けて、対応資料を作成する
GA4へ移行したら、旧GAで出していたレポートをGA4ではどう出していくのかという対応資料を作成しておくとよい。また、Looker Studioを旧GAと連携している場合は改めて設定が必要になる。
【2】GA4の操作方法に慣れる
GA4の使い方を学ぶには、改めて権限を整理し実際にレポートを作ってみるのが手っ取り早い。また、操作方法に慣れるためには勉強会を行ったり、GoogleスプレッドシートやSlackなどにGA4に関する質問や議論を寄せられる場所を作ったりし、それを整理してQ&Aをまとめておくとよいだろう。
【3】数値のズレを確認し、KPIなどを見直す
GA4の移行作業を終えても、旧GAを使えるうちは両方のデータを計測し比較しておくというのもポイント。GA4では従来と計測の仕組みが異なるため、同じように設定していても10%程度のズレが出ることがあるからだ。このとき大事なのが、仕組みの違いで出る誤差なのか、設定間違いによるものなのかを把握すること。ズレが大きい場合は、特定条件下のみズレているのか、デバイスで大きく違うのかといったことを確認していく。設定が合っていても仕様上数値が変わってくることによる、コンバージョンやKPIの見直しも必要になってくる。
「詳細な設定手順は、GA4 Guideに掲載していますし、さらに細かく学びたい方には360ページ以上もの資料も無償公開しています。そして昨年10月には『「やりたいこと」からパッと引けるGoogleアナリティクス4設定・分析のすべてがわかる本』を発売しました。これらもご参照いただければと思います。
また、GA4の画面が使いづらいという場合には、Faber Companyのサービス『ミエルカSEO』とデータ連携すると、『集客力』『エンゲージ力』『成果力』という3つの力でページを評価することができ、タイトルやディスクリプション改善のアドバイスをする機能もあります。GA4導入支援サービスも行っていますので、ご興味がありましたらお声がけください」(小川氏)