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第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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「第三者」の活用で部署の対立を解消せよ――BtoBマーケティングの現場でDXを進めるヒント

成功事例1:施策が魔法のように採用される、第三者の意見の重要性

 1つの解決方法としては、外部の意見や専門家の監修がマーケティング施策において重要であること、企業内コミュニケーションにおいて第三者仲裁機関が必要であることだという。社内の合議は利害関係のない外部ベンダーや第三者の意見に、強く影響されるからだ。

 実は、先述の2年間ペンディングしていた「ゾンビ施策」は、皮肉なことに大きなアクセス事故が出る直前に前進していたという。そのプロジェクトでは外部ベンダーに開発を依頼しており、外部のエンジニアが「こういう改善をやるといいと思います」と、ゾンビ施策とまったく同じ提案をしてきたのだという。

 まったく利害関係のない外部エンジニアが言うことで、施策の内容はまったく同じだが魔法のように意見が通ってしまったそうだ。

 「社内摩擦は交通事故と同じだと言った通り、第三者の仲裁を入れることが1つの課題解決の手段になると思います」(田中氏)

一般社団法人日本DX人材育成機構 代表理事 田中 恒平氏
一般社団法人日本DX人材育成機構 代表理事 田中 恒平氏

成功事例2:CPAが6分の1になった、全権委任の工夫

 続いて田中氏は、ある法人営業支援プロジェクトでCPAを6分の1まで削減することに成功した事例について説明した。成功の鍵は「現場のオペレーションを阻害していた社員の熱い思いをクールダウンして、エージェンシーに全権委任すること」だったという。また、現場の心理的安全性を担保することも重要だという示唆も得た。

 「セールス組織は虎の子の予算で広告費を捻出するので、セールスの熱い思いのこもったリクエストが、インハウスのマーケターにも外部の広告エージェンシーにも投げられます。そうすると、熟練のマーケターたちも沈黙を守ってしまい、営業組織のリクエストばかりが通ってしまう。結果、標準の広告のパフォーマンスさえ出ない状態になってしまいます」

 このケースでは、社員のリクエストは一旦田中氏がすべて吸収し、エージェンシーを選定。全権をエージェンシーに預けることで、自由に動かすことができたという。そしてキャンペーンの統一化や自動運用の活用といった広告運用のセオリーを制限なく実施することで、目に見える成果が出てきた。田中氏はそれを「エージェンシーの手腕」として、エージェンシーの信頼感を高めたことで、さらに社内のオペレーションが円滑になったのだ。

 「それまでの定例会議は、不信感を前面に出した詰問の場所になっていました。それが柔和な議論の場に変わっていった。これだけで、1問い合わせあたり10万円だったCPAは、3万円台に安定したのです」(田中氏)

 パワーバランスの不均衡によって片方の部署の意見ばかり通りやすくなってしまうところを、田中氏が客観的な立場で間に入ったことでうまくいった成功事例だ。田中氏は「信頼関係さえできれば、その先は仲裁者なしでも自走し、他社で成果が出ている施策を自分たちで採用することもできる。結果的に現状の獲得単価が1万円を切った」と、部署連携における心理的安全性が高まった成果を語った。

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成功事例3:第三者の活用で、SEO施策の優先度UP

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:一般社団法人日本DX人材育成機構

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/22 10:00 https://markezine.jp/article/detail/41851

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