グループ全体を人材の受け皿に
──人材育成の委員会で週1回のミーティングを重ねる中で、落合さんが発見されたことはありますか?
採用と育成に関して各社の課題は似通っていることがわかってきました。優秀な人材を採用し、採用した人材の成長をどう促すかは共通したテーマです。加えて、ある程度育ってきた社員が1社の中で昇進していく以外に、グループ内で多様なキャリアパスを作っていくべきではないかと、各社が考えていました。これは新たな発見でした。
たとえば広報やPRについて興味があると気づいた社員がいたら、それを専門にするWPPグループのBCWに行く、といったキャリアパスを積極的に促していく。そんなシステムを作りたいと各社の人事部が感じていました。今までもそういったキャリアを禁じているわけではありませんが、積極的に情報提供はしてきませんでした。今後はグループ全体が人材の受け皿となるシステムを作っていければと考えています。
──最後に、WPPアカデミーのみならず人材育成に注力されていくにあたって、今後の展望をうかがえますか。
WPPジャパンのグループ間の協業を強化するのはもちろんのこと、グローバル全体での協業が大事だと考えています。コロナ禍で中断していた海外オフィスとの交換留学プログラムなど、海外での研修を積極的に進めていきたいですね。
また、WPPジャパンは特に多様性に対する意識が高いと感じています。女性活躍や国籍の多様性の実態からも明らかです。先述の交換留学プログラムでは、日本のそういった強みを浸透させる機会にできたらと思っています。このような取り組みを通して、クライアント様からも引き続き「WPPだからこそのサービス提案」を評 価していただけるように頑張ります。