社内のマーケ力向上だけでなく、キャリア人材のリスキリングにも
MZ:&Marketingがどのようなフローで、どのような活動をされているのか、教えて下さい。
塩谷:最初は、すぐに効果が表れそうな施策を我々のほうから事業部に提案し、その成果が出るまで事業部と一緒に施策を行う形で支援をしています。この取り組みを「Quick Win」と呼んでいるのですが、ここで成功体験を作り、信頼を作ってからMAの導入などより深い取り組みに入っていくという流れです。

MZ:すぐに効果が表れそうな施策とは、具体的にどういったものですか?
高橋:LPの改善やメールマーケティングの見直し、デジタル広告の運用改善をはじめ、ユーザーリサーチの支援、PRの支援など、様々な取り組みがあります。2022年だけでも30件以上、Quick Winの施策がありました。
ベンチャー企業、バスクリン、三井住友銀行、オトバンクなどの企業でマーケティングや広報に従事。新規事業開発やマーケティング組織の立ち上げ、CMOなどの経験を持つ。2022年より現職。DX本部の&Marketingチームで、グループ横断のマーケティンググロースを支援
たとえば、三井ガーデンホテルズのメールマーケティングを支援した時は、少しの改善でクリック数や予約数が大きく伸び、クイックに大きな成果を残すことができました。そこで事業部も顧客接点の重要性に気づき、現在はメールマーケティングを刷新し、より深い施策を行おうとするところまで取り組みが活性化しています。こうした具体的な例だけでなく、中にはマーケティングの何から手を付ければよいかわからないといった状況の事業もあり、ゼロから頼っていただく場合もあります。
塩谷:Quick Winの成功事例を社内で横展開していくことで、各事業部のマーケティング力が向上するのはもちろんですが、実は、キャリア採用で入社してきた&Marketingのメンバーのリスキリングにもなっています。総合ディベロッパーに深く精通せず入ってきた&Marketingのメンバーも、各事業部とやり取りする中で総合ディベロッパーのマーケターとして育っていきますから、全社のマーケティング力向上という横の広がりだけでなく、縦・深さという視点でも人材育成に繋がっているのです。
高橋:そうですね。たとえば、“住まい”の領域に関しては、結婚や出産、育児などのライフステージによって顧客のインサイトは変わってきます。長年、住まいの事業に従事されている方は、そうした顧客のインサイトやニーズを非常に鋭く理解されており、とても勉強になるのです。&Marketingのメンバーや社外の専門家が有しているマーケティングのプロフェッショナル性と、社内の事業部が蓄積してきた業界の専門性を上手く融合させることができています。
