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人を育てる。組織を育てる。

「全社のマーケティング力向上」と「人材のリスキリング」の両方を実現する、三井不動産の横断マーケ組織

成功事例は社内ウェビナーで全社に共有

MZ:&Marketingの役割のひとつとして、「全社のマーケティング力向上」もありました。&Marketingと事業部との共創で得られた知見を、どのように全社に共有されているのですか?

高橋:ウェビナー形式で、全社に向けた共有会を行っています。たとえば、「代理店との協業の仕方」などマーケティングに関連する内容をウェビナーで紹介・解説することもあれば、&Marketingと各事業部で進めたDX案件の成功事例をまとめて共有することもあります。2022年だけでグループ社員を含め800名以上の方がこのウェビナーに参加して下さっており、この活動を継続していくことで、各事業部の現場にもマーケティングに知見のある社員がどんどん育っていくだろうと考えています。

 また、成功事例を共有すると「うちの事業部も似たような悩みがあるから、詳しく話を聞かせてほしい」などと、新たに相談が寄せられることもあります。こうして成功体験や知見を全社内へ循環させていくことも、DX本部や&Marketingの重要な役割です。

MZ:事業部に所属している方も積極的にウェビナーに参加されているんですね。&Marketingを起点に、事業部を横断して新規事業を創出するといったことも今後出てくるのでしょうか?

高橋:既に展開している取り組みがあります。これまでは、商業施設・住まい・ホテルなどそれぞれの事業で会員様に向けたロイヤルティプログラムを提供していたのですが、これらを統合し、三井不動産グループとしてロイヤルティサービスを提供する試み「横断ロイヤルティプログラム」を2022年10月にスタートしました。たとえば、商業施設のプレミアム会員様に対してホテルや住まいのサービスに関する特典をご提供しており、商業施設だけでは提供できない価値を創出することで、三井不動産のファンになっていただくことを目指しています。

DXの拡大・浸透は終え、質と生産性を高めていくフェーズへ

MZ:最後に、三井不動産のさらなるDXの推進および「Real Estate as a Service」の強化について、今後の展望をうかがえますか?

塩谷:既にDXを推進していかなければいけないことは全社に浸透しているので、これからはDXの質と生産性を高めていくフェーズになります。その時、重要になってくるのは「顧客視点」「顧客価値の向上」です。顧客視点を持つというのは、その重要性をわかってはいても、なかなか難しいところがありますよね。事業部の社員は、どうしても売上や利益をあげる事業として考えてしまう時がありますから、我々のようなハブとなる組織が「顧客起点で思考する」という部分を担いながら、より深く顧客視点を各事業部に浸透させていく必要があると考えています。

 また、顧客価値の向上については、「三井不動産がそのサービスを展開すべき必然性」が問われます。三井不動産には、働く・住まう・楽しむという3つのシーンで生活者との接点があります。その接点をアセットとして活かし、リアル×デジタルで顧客価値を向上させていく。この試みを愚直にやっていくことが大事になってくると思います。最近では、我々のグループに東京ドームが加わりましたから、特に“楽しむ”というシーンについても、より力を入れていきたいところです。スポーツやエンタメといった要素も、街づくりに欠かせない重要なコンテンツのひとつとして、融合させていきたいですね。

 そして、DXにおいて“確かなもの”はありません。ですから、早く実行して、早く失敗して、同じ失敗を繰り返さないようにする、という基本的なことが結局は重要になってきます。様々な事業やプロジェクトを展開している三井不動産が、全社で失敗や成功の経験を共有していくために、我々のようなハブ組織が果たせる役割は大きいと思っています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2023/07/10 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42613

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