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SNS「徹底確認主義」な中国人の消費トレンドとは?今こそ知りたい、インバウンドビジネスの戦略と可能性

SNSを徹底確認!中国人の特徴的なカスタマージャーニーとは

安成:日本のトレンドに似ている部分もある一方、ウェルネス市場への出費傾向など違いも見えますね。この4つの変化を背景に、実際の消費者行動はどう変わっているのでしょうか。

桜庭:SNSの重要性がより高まり、今や中国の人々にとってなくてはならない生命線になっています。そのため、インフルエンサーの影響力も一層強まっています。

 日本人は企業の広告や公式アカウントを見て「商品を買おう」と思うことも多いですが、中国の人たちは企業の発信よりもまずSNSを見ます。今、最も影響力があるSNSは「小紅書(RED)」。Instagramに近いSNSです。

小紅書(RED)の投稿イメージ(https://apps.apple.com/jp/app/id741292507より)
小紅書(RED)の投稿イメージ(https://apps.apple.com/jp/app/id741292507より)

桜庭:中国の人たちの行動は「徹底確認主義」といえます。まずREDで商品を検索して評価を確認し、その後ECの口コミサイトもチェックして、さらにコミュニケーションアプリで友達に評価を聞く。そこまでやってから、最も安く買える方法を探して購入に至ります。

 そのため、ブランドにとってはSNSでの評価が最も大切です。REDの他に「抖音(TikTok)」も8億人のユーザーを抱えており、この2つは中国で押さえておくべきSNSです。

安成:中国はライブコマースも先進的な印象ですが、いかがでしょうか。

桜庭:ライブコマースやライブ配信は、中国ではインフルエンサー施策の中心です。日本のインフルエンサーはコンテンツ力などが重視されますが、中国は「販売への貢献」がKPIです。日本よりも、インフルエンサーが職業として確立している点も特徴ですね。

 中国のインフルエンサーである「KOL(Key Opinion Leader)」のトップクラスになると、数千万人のフォロワーを抱え専門チームがサポートしています。1回の配信で何十ものブランドを紹介し、何億円も売り上げる人もいます。そんな一大産業になっているのです。

 一方、コミュニティサイトなどで影響力を持つ「KOC(Key Opinion Consumer)」も、重要な存在です。フォロワーが1,000人以下(基準は複数あります)などの人々を指し、彼らが等身大で評価する口コミは、皆が憧れるKOLとは違う意味で消費者に信頼されています。KOLとKOC、両者を組み合わせて活用することが重要です。

インバウンドビジネスは“旅前”に勝負が決まる

安成:政府は、インバウンドの消費額を早期に5兆円に引き上げる目標を掲げ、これは2019年の4.8兆円を上回る数字です(参考:NRI「2023年のインバウンド需要は4.96兆円と早くもコロナ前を上回る予想」)。中国の消費者動向の変化を受け、インバウンドビジネスで押さえておくべきポイントをお教えください。

桜庭:コロナ前は、特別な戦略を立てずとも商品を並べておけば売れていました。現在、コロナ禍からの回復にともなってインバウンドに関する相談が増えていますが、「“旅前”に勝負が決まる」と伝えています。

 コト消費の増加によって、訪日旅行でも体験を求める傾向が強まっています。そのため、買い物はより効率的に済ませたい。だから中国の人々は事前にREDで検索して、買いたい商品や行きたい場所をリストアップするのです。まずはそのリストに入るために、検索した際口コミがきちんとある状態を作っておくことが大事です。

 さらに今はお土産需要よりも、自分が気に入ったものを厳選して買う傾向が強いです。中国の人たちのモノを見る目も変わり、ブランドストーリーを重視するようになりました。それに応えるストーリーやファクトを伝え、ブランドそのものを好きになってもらう工夫が大事です。

安成:旅前から情報を伝えていくステップが必要なのですね。

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体験型消費や自治体、レストラン、コンテンツ産業など……チャンス広がるインバウンド需要

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この記事の著者

加納 由希絵(カノウ ユキエ)

フリーランスのライター、校正者。

地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社電通グループ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2023/11/02 11:00 https://markezine.jp/article/detail/43726

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