西のゴールデンルートで広域プロモーションを強化
──福岡市では、今回の分析で得られた示唆を基に、今後どのようなことにチャレンジしたいとお考えですか?
野田(福岡市):ナイトコンテンツの充実にも一層力を入れていきたいと考えています。三井住友カードさんに福岡市のプラチナ以上のカード保有者のデータを分析していただいたところ、夜間の決済傾向が高いとわかったのです。屋台やライトアップなど、ナイトコンテンツに注力する現在の方向性の正しさを裏付ける非常に有益な情報だと思いました。
野田(福岡市):また、2023年にスタートした「西のゴールデンルート」の取り組みにも今回の示唆を活用していきたいと考えています。西のゴールデンルートとは、西日本・九州が一体となり、それぞれの地域の魅力を発信・プロモーションする取り組みです。キャッシュレスデータというエビデンスを基に、各自治体と連携しながら精度の高いプロモーションを展開していきたいと考えています。
──三井住友カードは、Custella Analyticsを通じて今後クライアントにどのような価値を提供していきたいですか?
平野(三井住友カード):クレジットカード番号は普遍的な共通IDです。国や地域に関係なく、基本的にどこでも使われるため、当社に集まるデータも多く、精度の高い分析を実行することができます。
消費だけに閉じない分析を
平野(三井住友カード):また、クレジットカードの利用シーンは買い物だけにとどまりません。福岡市では、全ての駅で当社の公共交通機関向けソリューション「stera transit」が導入されています。これは、Visaのタッチ決済による改札機の通過を可能にするソリューションです。
平野(三井住友カード):普段使っているクレジットカードがあれば、切符を買うために券売機や窓口に並ぶ必要がありません。海外では比較的普及しているサービスですから、日本で利用する外国人観光客も多いでしょう。他の自治体様でもこの仕組みは拡大しつつあります。Custella Analyticsでは、消費や移動など幅広いデータを基にした分析・提案が可能です。今後は「閉じない分析」に力を入れていきたいと考えています。
宮崎(三井住友カード):インバウンドに注力したい自治体様においては、コロナが落ち着き、外国人観光客が着実に戻り始めているこのタイミングで、消費の実態を捉える取り組みが不可欠だと思います。経年でデータを追って変化を捉え、次の打ち手につなげる福岡市様のお取り組みを、引き続き支援していきたいです。
宮崎(三井住友カード):また、今回の福岡市様とのお取り組みを通じ、広域で観光を盛り上げていくことの重要性を学びました。今後は広域の視点も取り入れながら、クライアント様に幅広い提案をしていきたいと考えています。