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【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

「マーケティング部も 営業部も存在しません」全社を巻き込むCX推進部がイーデザイン損保の経営を動かす

人材育成は「共有する文化」と「コンピテンシー」を重視

――貴社ではこれまで、マーケティングのDXに注力されてきたように思います。近年では多くの企業でAI活用が活発化していますが、テクノロジーをマーケティング戦略ひいては経営に落とし込む上で、どのような思考・スキルが求められると考えていますか?

 大きく2 つの力が必要だと考えています。1つはお客様と事業を理解する力、もう1つはデータから課題や違和感を特定する力です。

 弊社は基本的に流通を挟まないため、Webサイトのトラッキングデータや、契約情報などを自社で持てることが強みです。しかし、データを活かすには違和感や課題を見つけることが重要です。事業や顧客に対する理解を前提に、マクロとミクロを行ったり来たりしながら課題を見つけ、深掘りして仮説を立てる必要があります。AIや各テクノロジーの力は、仮説検証のプロセスで使っていくものだと思います。

 たとえば、現在弊社は「Value Based Bidding(バリューベースドビッディング)」に取り組み、1件1件のコンバージョンの重み付けを定義し、媒体側にフィードバックを行っています。この取り組みも、「LTVが高いお客様とは?」を考えるためのお客様と事業の理解が不可欠で、それを前提にした施策となります。

――人材についてもおうかがいします。人材不足は多くの企業で顕在化していますが、マーケティング組織・人材を育成強化するにあたって中長期的に取り組まれていることはありますか?

 弊社は物事がサイロ化しないような「共有する文化」が根付いているのが特徴です。日常的な共有により、チーム間のキャッチアップが最小限で済みますし、認識のズレが少ないため、施策にもスムーズにつながります。また、共有した内容に対して新たな課題の発掘や提案が自然に行えるメリットもあります。この体制と文化は、組織強化につながっていると考えています。

 また弊社の組織配置やキャリアプランにおける人材育成のアプローチは、失敗も許容して行動から学ぶという考え方に基づいています。人材を「専門スキル」と、コミュニケーション力や当事者意識などの強さを表す「コンピテンシー」の2つの側面で捉えた場合、弊社はコンピテンシーの成長に寄与することを前提に、仕事のアサインメントを行っているケースが多いです。専門性を伸ばすというよりも、共有の意識やお客様の課題を自分ごととして捉える意識を育てることを重視しています。

――最後に、次の目標や今後の展望についてお聞かせください。

 やはりカスタマーファーストと「事故のない世界を目指す」というパーパスの2軸をドライバーにしていきたいと考えています。

 近年弊社では、モータージャーナリストの五味やすたかさんと組み、安全運転の視点でYouTubeからコンテンツ発信を行っています。まずはこのような施策から共感を持ってもらい、あらかじめファンになっていただく。その後、お客様として訪れていただいた際に、快適な体験を感じていただけるのが理想です。

 お客様が自動車保険について考える機会は、年に1度しかありません。その際に「&e」を思い出していただくためには、日頃からの共感が重要となります。今後は、顧客体験を向上させるという主軸に加えて、パーパスドリブンな開発やコミュニケーションを行い、共感からイーデザイン損保を選んでいただけることを目指していきます。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/20 11:02 https://markezine.jp/article/detail/45337

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