経営、商売の感覚を持ったマーケターを育てていく
――梶浦さんはアサヒビールのマーケティング組織が果たすべき役割、経営にもたらすべき価値についてどのように考えていますか?
梶浦:よく言われる言葉ですが、マーケティングは経営そのものであり、商売そのものであると私は考えています。そして商売とは、社会に新しい価値を持った商品やサービスを出してお客様に喜んでもらい、そこで得られた収益を資本にさらに新しい価値提供を行うことです。その中心にあるのがマーケティングとイノベーションです。
――その役割や価値を果たすためにマーケティングに長けた人材が必要になると思いますが、人材採用や強化について中長期目線で取り組んでいることはありますか?
梶浦:アサヒビールのマーケティング本部が「おもしろいことをやっていて優秀な人が集まる」組織である認知を業界内外に広げ、優秀な人材やポテンシャルの高い人材の採用につなげたいと考えています。
そのため、マーケティング本部のメンバーには「外からも欲しいと言われるような人材になってほしい。そのためのサポートはする」と伝えています。サポートに関しては、コンピテンシーを鍛えるための研修や出向、ジョブローテーションなどを実施し、メディア露出に関しても積極的に行うようにしています。
私自身、海外に出向しジョイントベンチャーの経営に携わり、そこでの苦労を通じて商売とは何かを学びました。ブランドマネージャーには商売の構造を理解し、儲かる仕組みを考え実行する役割が求められます。そのような商売の感覚を持った人材が増えるような支援を今後も行っていきたいです。
――最後に今後の目標、展望についてお聞かせください。
梶浦:日本発・世界初でお客様に価値のあるブランドを生み出し続けたいと考えています。生ジョッキ缶は、韓国でも良い反響が得られるなど、世界の人々を驚かせる事例となっています。今後アルコール分0.00%の「アサヒ ゼロ」や「未来のレモンサワー」など、様々なブランドを展開する予定です。マーケティングとイノベーションの連鎖を強化して、「お客様のワクワク」を生む独自価値・新価値をさらに追求していきます。