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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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【特集】進化するテレビマーケティング、現在の選択肢

全国のテレビCM放映データを持つ「Madison」

 テレビマーケティングの効果検証を進める際、競合分も含めてテレビCMの正確なオンエアデータがなければ、客観的な分析は難しく、曖昧で恣意的な分析になるのではないだろうか。全国のテレビCMをすべてデータベース化しているのが、PTPの「Madison(マディソン)」だ。

※本記事は、2024年5月刊行の『MarkeZine』(雑誌)101号に掲載したものです

株式会社PTP 代表取締役社長 有吉昌康氏
野村総合研究所に入社し、マーケティングを専門にコンサルティング業務に従事。2000年に同社を退職し、パワー・トゥ・ザ・ピープル(現PTP)を創業。2006年に日本初の全録型HDDレコーダーSPIDERを販売開始。日本、米国、韓国、中国などで多数の特許を取得。2012年「日経チェンジメーカー2011」経営者部門にノミネートされた。一橋大学商学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒。

「Madison」で使用しているデータ
  • 全都道府県で、当社の機器が収集した素材別の全テレビCMオンエア時点データ
  • 提携しているビデオリサーチ社から提供される視聴率データ(オプション)

全国のテレビCMデータをオンエア時点で閲覧可能

Q.PTPの提供する「Madison」とはどのようなソリューションですか?

 「Madison」は、放送されるすべてのテレビCMをデータベース化し、エリア別にテレビCMの効果を測定可能にしたサービスです。

 最大の特徴は、テレビCMの実際のオンエアデータ(時刻)がわかること。全国(全都道府県)のすべてのテレビCMデータをオンエア時点で取得できるのは、日本で当社のみです。

 また、全テレビCMの実際のデータなので、お客様のテレビCMがテレビCMチャンスの何番目に入ったのか、FIB(FirstInBreak)率などを出すこともでき、これをKPIにしている広告主企業もいらっしゃいます。

 さらに「Madison」では、ビデオリサーチ社との提携により、オンエアデータに視聴率を連携させて把握することも可能です。つまり、GRPベースでオンエア時点のアクチュアルがわかります。その他、GRPベースで他社のテレビCMの投下量もわかるので、他社の出稿予算を推計することもできます。

図表1 Madisonのダッシュボード画面。自動車のカテゴリにおいて直近1週間で放映されたテレビCMの量をエリア別に表示させた例
図表1 Madisonのダッシュボード画面。自動車のカテゴリにおいて直近1週間で放映されたテレビCMの量をエリア別に表示させた例
図表2 Madisonのダッシュボード画面。ベンチマークしている競合ブランドの出稿状況を調べることができる
図表2 Madisonのダッシュボード画面。ベンチマークしている競合ブランドの出稿状況を調べることができる

Q.どのような企業による利用を想定していますか?

 テレビCMの効果測定に課題を持っている広告主企業の利用を想定しています。効果測定の方法は、3通りあります。

 (1)GRPベースで各都道府県別の出稿量、SOV(ShareofVoice)を算出し、売上や来店客数などのKPIとの関係性がわかるモデルを作ります。これで効果が上がっているエリア、上がっていないエリアがわかります。

 (2)各エリア別に正確にテレビCMオンエア時点がわかるので、それを自社のWebサイトアクセスデータと突き合わせて、アクセス増(リフト)があったかどうかを確認します。

 (3)最後は、厳密には効果測定ではないのですが、テレビCMの効果を改善するためのKPIの設定についてです。エリアごとにアクチュアルのGRPを算出し、出稿ベースのGRPと比較して下回るところを改善していったり、出稿箇所がFirstInBreakになった率(FIB率)をKPIにして改善努力をしたりすることもテレビCMの効果を高めるのに有効です。

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/05 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45614

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