※本記事は、2024年5月刊行の『MarkeZine』(雑誌)101号に掲載したものです
【特集】進化するテレビマーケティング、現在の選択肢
─ テレビでもスマホでも生活者は意識しない、スクリーンニュートラル時代のプランニング
─ 「テレビCMは若年層には効かない」は本当か?テレビの効果検証に不可欠な2つのポイントを解説
─ TVerの進化は広告主の選択肢をどう広げるか
─ シングルIDでターゲットリーチを可視化する CCCMKホールディングスのソリューション(本記事)
─ 第三者パートナーとして、ビジネス効果・スピードを重視するノバセル
─ 多様なデータ資産を用いメディア環境の変化に対応する「TV AaaS」
─ 全国のテレビCM放映データを持つ「Madison」
─ 視るという行動ベースのデータを活かす「Telescope」
─ 日本テレビ「Ad Reach MAX」、2025年3月ローンチに向け構想を発表
─ 増えていくテレビの選択肢をどう検証する?ホーユーが「MMM」+αで行ってきたテレビマーケの最適化
─ テレビのリーチ力を活かし「利用のバリア」を解消していく。Uber Eats流・テレビCM活用術
─ なぜ「電車の中のテレビ局」なのか?電車内サイネージのリポジショニングを図る「TRAIN TV」の狙い
CCCMKホールディングス株式会社
データベースマーケティング事業本部
ソリューションプランニング部
統合ソリューションプランニング 梅田達郎氏
2023年に同社入社。長年の広告会社勤務経験を活かし「テレビ×デジタル」を進化させるソリューションなど、シングルIDを活用した循環型マーケティングの開発を推進している。
■CCCMKホールディングスのテレビデータソリューションで使用しているデータ
全国約1.3億人(有効ID数)のV会員(※)の属性/行動データ、年間26億件に及ぶ購買データ、全国約46万人のテレビ視聴データ(全国32エリア地上波/独立放送局/BS/CS、録画を含む)
※4月22日のTポイントとVポイントの統合にともない、T会員はV会員へと名称を変更した
オン/オフ行動データが紐づくテレビ視聴データ
Q.まずは、CCCMKホールディングスのテレビデータソリューションがどのようなものか教えてください。
主に広告主、広告代理店のプランニングフェーズにおける効率的なCM出稿を支援するサービスです。オンライン/オフライン行動データがIDベースで紐づく全国約46万人のテレビ視聴データパネルを活用し、任意のセグメントに対して各局を横断した30分刻みの視聴効率やリーチ効率を可視化します(図表1)。
Q.どのような企業による利用を想定していますか?
「プロモーションにテレビCMを活用したいが、投下予算とターゲット層(=人)リーチの相関が不明で予算化に踏み切れない」という課題を抱えている企業です。当社のテレビデータソリューションでは、全国の各放送エリアにおける具体的なリーチボリュームと、リーチ毎コスト(=CPM)を提示することで、必要コストの可視化と予算アロケーションを実現します。
シングルIDが実現する次世代テレビプランニング
Q.どのような評価指標を用い、何をもって成果が出たと定義されていますか?
全国約46万人のV会員のテレビ視聴データを次の2つの指標で分析し、効率の良い枠を抽出・可視化します。
(1)視聴ボリューム指標
ターゲット層の視聴ボリューム÷エリア全体の視聴ボリュームで算出。エリアの視聴ボリュームが高く、ターゲット層の視聴ボリュームも高い効率枠を可視化します。
(2)impコスト効率指標
各枠30分コスト÷ターゲット層へのCM表示回数で算出。ターゲット層における各枠のimpコスト効率を指標化したものであり、ターゲットへの1impあたりコストが安い効率枠を可視化します。また、デジタルと同じ指標であるCPMも推計算出できるため、実施中のデジタル施策との効率比較も可能です。
それぞれの指標に基づき、CM出稿期間におけるターゲット層への「視聴ボリューム効率」「リーチ率」「一人あたりのフリークエンシー」や、ターゲット層における「impコスト効率」が向上していれば、成果が出たと考えていただけます。
さらに、年間26億件に及ぶ購買データを活用し、実購買への貢献度を検証することも可能です。視聴行動だけでなく、購買行動へのファネル転換を評価することで、ROIやROAS視点での貢献度合いも明確にすることができます。
Q.1回のPDCAサイクルの期間はどれくらいでしょうか?
プランニング支援から、CM出稿後にプランと出稿実績を照合する効果検証のご報告までの期間は、約3ヵ月です。CM出稿の約2ヵ月前からターゲット層のセグメントや検証指標などを目的に合わせて設定します。出稿の約1.5ヵ月前より、放送局からの見積金額を加味したプラン改案の支援も可能です。
事後の効果検証結果は、OA終了後約2週間で報告します。先に述べた各種指標を基に「プランに対して一定の成果が得られているか」を検証。また、過去の出稿効率との比較もあわせて行うことにより、次策のプラニング最適化を支援します。