※本記事は、2024年5月刊行の『MarkeZine』(雑誌)101号に掲載したものです
【特集】進化するテレビマーケティング、現在の選択肢
─ テレビでもスマホでも生活者は意識しない、スクリーンニュートラル時代のプランニング
─ 「テレビCMは若年層には効かない」は本当か?テレビの効果検証に不可欠な2つのポイントを解説
─ TVerの進化は広告主の選択肢をどう広げるか
─ シングルIDでターゲットリーチを可視化する CCCMKホールディングスのソリューション
─ 第三者パートナーとして、ビジネス効果・スピードを重視するノバセル
─ 多様なデータ資産を用いメディア環境の変化に対応する「TV AaaS」
─ 全国のテレビCM放映データを持つ「Madison」(本記事)
─ 視るという行動ベースのデータを活かす「Telescope」
─ 日本テレビ「Ad Reach MAX」、2025年3月ローンチに向け構想を発表
─ 増えていくテレビの選択肢をどう検証する?ホーユーが「MMM」+αで行ってきたテレビマーケの最適化
─ テレビのリーチ力を活かし「利用のバリア」を解消していく。Uber Eats流・テレビCM活用術
─ なぜ「電車の中のテレビ局」なのか?電車内サイネージのリポジショニングを図る「TRAIN TV」の狙い
株式会社PTP 代表取締役社長 有吉昌康氏
野村総合研究所に入社し、マーケティングを専門にコンサルティング業務に従事。2000年に同社を退職し、パワー・トゥ・ザ・ピープル(現PTP)を創業。2006年に日本初の全録型HDDレコーダーSPIDERを販売開始。日本、米国、韓国、中国などで多数の特許を取得。2012年「日経チェンジメーカー2011」経営者部門にノミネートされた。一橋大学商学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒。
「Madison」で使用しているデータ
- 全都道府県で、当社の機器が収集した素材別の全テレビCMオンエア時点データ
- 提携しているビデオリサーチ社から提供される視聴率データ(オプション)
全国のテレビCMデータをオンエア時点で閲覧可能
Q.PTPの提供する「Madison」とはどのようなソリューションですか?
「Madison」は、放送されるすべてのテレビCMをデータベース化し、エリア別にテレビCMの効果を測定可能にしたサービスです。
最大の特徴は、テレビCMの実際のオンエアデータ(時刻)がわかること。全国(全都道府県)のすべてのテレビCMデータをオンエア時点で取得できるのは、日本で当社のみです。
また、全テレビCMの実際のデータなので、お客様のテレビCMがテレビCMチャンスの何番目に入ったのか、FIB(FirstInBreak)率などを出すこともでき、これをKPIにしている広告主企業もいらっしゃいます。
さらに「Madison」では、ビデオリサーチ社との提携により、オンエアデータに視聴率を連携させて把握することも可能です。つまり、GRPベースでオンエア時点のアクチュアルがわかります。その他、GRPベースで他社のテレビCMの投下量もわかるので、他社の出稿予算を推計することもできます。
Q.どのような企業による利用を想定していますか?
テレビCMの効果測定に課題を持っている広告主企業の利用を想定しています。効果測定の方法は、3通りあります。
(1)GRPベースで各都道府県別の出稿量、SOV(ShareofVoice)を算出し、売上や来店客数などのKPIとの関係性がわかるモデルを作ります。これで効果が上がっているエリア、上がっていないエリアがわかります。
(2)各エリア別に正確にテレビCMオンエア時点がわかるので、それを自社のWebサイトアクセスデータと突き合わせて、アクセス増(リフト)があったかどうかを確認します。
(3)最後は、厳密には効果測定ではないのですが、テレビCMの効果を改善するためのKPIの設定についてです。エリアごとにアクチュアルのGRPを算出し、出稿ベースのGRPと比較して下回るところを改善していったり、出稿箇所がFirstInBreakになった率(FIB率)をKPIにして改善努力をしたりすることもテレビCMの効果を高めるのに有効です。