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【特集】進化するテレビマーケティング、現在の選択肢

TVerの進化は広告主の選択肢をどう広げるか

 テレビマーケティングを語る上で、TVerの話題は避けて通れないだろう。最近はオリジナルコンテンツの制作や企業コラボの実施など、新たな取り組みによって広告メディアとしてのポテンシャルを一層高めている。本記事ではTVerの広告事業を統括する古田和俊氏を取材。ユーザー層や広告プロダクトの変化をうかがうことで、生活者の使い方と広告主に用意された選択肢を示す。

※本記事は、2024年5月刊行の『MarkeZine』(雑誌)101号に掲載したものです

オリジナル番組制作の背景

──TVerの利用はここ数年で急速に拡大したと思います。実際はいかがでしょうか?

 TVerという会社を設立した時期がコロナ禍の只中だったこともあり「ステイホームで一時的にユーザー数が伸びただけでは」と思われるかもしれませんが、コロナ禍が明けた今もなおTVerのMUB(Monthly Unique Browsers)は伸長し続けています。2024年1月のMUBは3,500万で、歴代最高記録を更新しました。

株式会社TVer 執行役員 広告事業 本部長 古田和俊(ふるた・かずとし)氏 2002年4月フジテレビジョン入社。営業局スポット営業部、ネット営業部で17年間、地上波放送のセールスを担当。2019年7月デジタル営業部に異動し、見逃し配信の広告セールスを経験。2020年7月よりTVerに出向し、2022年7月より現職。
株式会社TVer 執行役員 広告事業 本部長 古田和俊(ふるた・かずとし)氏
2002年4月フジテレビジョン入社。営業局スポット営業部、ネット営業部で17年間、地上波放送のセールスを担当。2019年7月デジタル営業部に異動し、見逃し配信の広告セールスを経験。2020年7月よりTVerに出向し、2022年7月より現職。

 サービスの成長と連動するように、広告ビジネスも好調です。売上は前年比約140〜150%のペースで伸びています。2021年4月より本格的にTVer広告のセールスを開始した当時は、TVer自体の認知度が今ほど高くなかったため、サービスの説明からする必要がありました。営業先で「TVerを利用したことはない」「若い人が利用しているサービス」と言われることもありましたが、最近はサービスが認知されたことで広告を提案しやすくなったと感じます。

──最近はオリジナル番組の制作や特集機能など、新たな取り組みにも注力されている印象です。

 2022年12月に、TVerが初めて制作した完全オリジナル番組「最強の時間割」のシーズン1を配信しました。様々な業界のトップランナーを先生として招き、複雑な世の中に向き合う学生や社会人の視聴者に考え方のヒントを届ける内容です。好評につき、2023年11月にはシーズン2も配信しました。

TVerオリジナル番組「最強の時間割」
TVerオリジナル番組「最強の時間割」

──そもそも、なぜオリジナルコンテンツを制作することになったのでしょうか?

 クライアントから「オリジナル番組を制作してほしい」というご要望を頂戴したからです。第一弾として、自動車のサブスクリプションサービスを提供するKINTOの1社提供で、完全オリジナルバラエティ番組『褒めゴロ試合』を制作・配信しました。番組と連動したインフォマーシャルや提供クレジットは、1社提供ならではの演出と言えます。

 1社提供のオリジナル番組は、TVer広告に興味を持っていただくきっかけにはなりますが、社としてあえて番組制作事業に舵を切ることは考えていません。TVerは各放送局のコンテンツが集まるプラットフォームでもあります。最強の時間割はMBS(毎日放送)に制作協力いただきましたし、褒めゴロ試合は元テレビ東京の佐久間宣行さんにプロデュースいただきました。あくまで「放送局の存在ありきのコンテンツ」という考えです。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/30 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45497

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