順調に成長を続けるANA Xの二つのアプリ
──本日は、ANA Xのアプリマーケティングについて伺っていきます。ANA Xは「ANAマイレージクラブ アプリ(以下、AMCアプリ)」と「ANA Pocket(エイエヌエー ポケット)」の二つのアプリを展開されていますが、それぞれの特徴を教えていただけますか?
酒井(ANA X):まずAMCアプリは、ANAマイレージクラブ会員様向けのアプリです。マイル残高の確認はもちろん、貯まったマイルを有効活用していただくサービスを展開しています。
酒井(ANA X):2015年にAMCアプリをリリースし、現在累計約800万ダウンロードされています。弊社では、このアプリを顧客とのコミュニケーションチャネルとして位置付け、どうしたらお客様に有効利用いただけるのかを日々模索しています。
入内島(ANA X):「ANA Pocket」は、飛行機の搭乗機会が少ない方はもちろん、どなたでも気軽に参加いただけるアプリです。移動手段・距離などに応じてポイントが獲得でき、ANAのマイルや賞品に引き換えていただけます。主に、アプリ内広告を収益源としています。2021年12月にリリースし、2024年8月には会員登録数が200万人を突破しました。
課題は流入経路別に施策を最適化すること
──両アプリのマーケティングを推進する上で、感じられていた課題をお聞かせください。
酒井(ANA X):AMCアプリの場合、流入経路別の分析を深掘ることで、お客様像をより明確にしたいと考えていました。ANAグループでは、オンラインだけでなく、搭乗時やANA FESTAでのお買い物などオフラインの場面まで、お客様との接点が非常に多岐にわたっています。そのため経路ごとにお客様の特徴を把握することで、ニーズに合うサービスを実現できないかと考えていました。
中村(ANA X):ANA Pocketでは、ユーザーを増やすプロモーションの領域と、事業規模を大きくするためのマネタイズの領域に力を入れています。プロモーション戦略の立案や予算配分などを適切に行うために、ROASを流入経路別で確認する方法を模索していました。
中村(ANA X):以前は、計測のために他のツールを使っていたのですが、AMCアプリが2024年1月にAdjustを導入したことに続き、8月からツールを変更してAdjustの本格運用を始めました。将来的にAMCアプリと連携した取り組みを行う可能性もあるため、同じAdjustを導入しているほうが進めやすいだろうとも考えたのです。また、データの保持期間が長いことも決め手の一つになりました。
Adjustでは皆様の課題に沿って使用方法をご案内しています。Adjustへのお問い合わせ、もしくは無料デモをお試しいただくには、Adjust公式サイトからお問い合わせください。
継続率の低い流入元経由のユーザーが実は収益を生んでいた
──両者とも、流入経路別の計測に課題を感じられていたのですね。Adjustを導入したことで得られた成果について、お聞かせください。
中村(ANA X):ANA Pocketでは、流入経路別のインストール数やLTVなどを一元管理できるようになりました。これにより、オフラインイベントやペイドのプロモーション、オウンドメディア、SNS発信など、多岐にわたる施策の成果を比較したり、優先順位を付けたりしています。
中村(ANA X):また、ROASも分析できるようになったことは大きな変化です。これまでは主にユーザーの継続率を重視していましたが、状況に応じて継続率とROASのどちらを重視するべきかを判断できるようになりました。
たとえば、ポイ活目的でリワード広告から流入したユーザーの場合、継続率が低い傾向があったため、優先度を下げていたんです。しかし、実は収益につながっているとわかり、続ける価値がある施策だと見解が変わりました。
現在、会員登録数が200万人に到達したことで、より収益を増やす方法を考える必要が出てきました。この新たなフェーズに対応し、戦略を柔軟に検討できるようになったことは、Adjust導入による大きな成果だと考えています。
大杉(Adjust):Adjustの強みの一つとして、あらゆる流入元を網羅したアトリビューション機能があります。Adjustのアトリビューションは、モバイル、Web、アプリ内広告、CTVなど、ユーザーがアプリにたどり着くあらゆる経路を計測し、最も効果的な流入元を特定します。つまり、どの施策でどういったユーザーの獲得に至ったのかまで、正確に把握できるのです。
大杉(Adjust):また、現在レコメンド機能の「InSight」プロダクトを強化中です。Adjustに蓄積された膨大なデータを基に機械学習を活用して開発しており、お客様の意思決定の支援を目指しています。
InSightプロダクトの一つとして既にリリースされている「インクリメンタル予測分析」では、広告やキャンペーンの効果をアプリのインストール数の純増やオーガニック効果も含めた真の貢献度として可視化できます。今後はこれを基盤として、複数の経路を横断してキャンペーン評価ができるMMM(マーケティングミックスモデリング)などにも発展させていく計画です。
レポーティングの手間を削減!とにかく見やすい画面
酒井(ANA X):AMCアプリでも流入経路別の分析に活用していますが、Adjustはとにかくデータが見やすいという印象を抱きました。レポート画面の「Datascape」では、多様な経路があっても階層別に確認ができます。
酒井(ANA X):また、関係者への情報共有に要するコストを軽減できました。これまでは、Excelに手作業で入力していましたが、Datascapeによってその作業が大幅に削減されたのです。Adjustでは、分析手法の定義が明示されているので、チーム内で共通認識が定着し、「この数値はどうやって算出したの?」といったやりとりも減りました。
中村(ANA X):OSを合わせた数値が画面で見られることも助かっています。また、項目の追加や削除を簡単に行えるので、特定のデータに焦点を当てたい場合は、必要な部分を組み合わせて並べ替えた上でレポートを出力しています。
大城(Adjust):会員カードのデジタル化が進むにつれ、ライフスタイルに密着したアプリが増えてきました。アプリを専業としない企業様は、現場レベルでの報告作業にかかる手間に悩まれています。Adjustの導入後は「レポート機能が非常に使いやすい」という高い評価をいただいています。
大杉(Adjust):Adjustは海外発のツールですが、グローバルに占める日本市場のシェアは非常に大きいです。そのため、日本のお客様からいただいたご要望は、優先して反映しています。管理画面に関しても、カスタマーサクセスチームと開発チームの連携を強化することで、お客様の声を基に機能の改良を続けています。
酒井(ANA X):確かにAdjustはローカライゼーションを徹底していると感じます。導入する上では、手厚いサポートも大きな決め手になりました。使いやすさとサポート面の強さ。デジタルツールに明るい人もいれば、そうでない人もいる私たちのグループとしては、これらは欠かせないポイントです。
入内島(ANA X):私もANA Pocketの担当になって間もないですが、Adjustのツールはわかりやすく、使いやすいと感じています。
Adjust Datascapeやその他の機能を必要に合わせてご覧いただけます。Adjustの担当者がお客様のニーズに沿って、丁寧にご説明いたします。お問い合わせはAdjust公式サイトから。
独自ドメインの計測用URLを即時発行できる機能も
──他にも、利用していて便利だと感じている機能はありますか?
中村(ANA X):ショートブランドリンクもイチ押しの機能です。イベント出展の際は、お客様にアプリダウンロード用のQRコードの読み取りをお願いしているのですが、その際に「Adjust」というANA Xとは関連のないワードがURLに含まれていると、不安に感じる方もいるでしょう。そのため、ショートブランドリンクで計測可能なURLにブランド名を設定したほうが、安心してご利用いただけるのではないかと考えています。またURLが短いと、QRコードが読み取りやすくなる点もメリットです。
酒井(ANA X):計測用のURLにブランド名を入れられるだけでなく、独自のドメインを担当者レベルでも即時発行できて、非常に効率的になりました。リンクを構造化しやすいよう設計されているため、チーム内の情報共有もスムーズです。
大杉(Adjust):設定のしやすさも、よく評価していただく点です。2024年9月には、アプリ内エンゲージメントを促進するディープリンクソリューション「TrueLink」を発表しました。これにより、一つのディープリンクを複数のキャンペーンタイプで利用できます。マーケターが手動でリンクを作成する時間と、プラットフォームやアプリ環境ごとに異なるリンクを作成する手間が省けるわけです。
計測・分析に留まらずエンゲージメントの向上まで
──最後に、今後の展望について伺います。ANA Xは、今後各アプリにおいてどのようなことにチャレンジしたいとお考えですか?
酒井(ANA X):AMCアプリでは、お客様とのエンゲージメントを高め、ANAをより身近な存在にすることを目指しています。そのためには、様々な形でお客様との接点を持つこと、そして接点を持ったお客様のエンゲージメントを高め、継続的に利用していただくことが重要です。これらの目標を達成するために、AdjustのInSightなどの機能を活用していきたいです。
中村(ANA X): Adjustの継続的なサポートのもと、お客様との接点をさらに拡大したいと考えています。将来的にはAMCアプリとのデータ連携による、新たな価値創出にもチャレンジしていきたいです。
入内島(ANA X):Adjustの導入によってデータ保持期間が長くなったため、前年のデータを参照した上で施策を考えてみたいです。
──Adjustは、今後どのような価値を提供していきたいと考えていますか?
大城(Adjust):これまでAdjustは主に分析と運用に焦点を当ててサービスを展開してきましたが、近年はレコメンド機能を新たな柱として追加し、お客様がより円滑に投資判断を行うためのサポートを強化しています。また先述のとおり、TrueLinkなどの「Engage」機能をリリースしました。これらにより、ユーザーにとってシームレスでストレスのない体験を生み出していきたいです。
大杉(Adjust):Adjustの日本法人は今年で10周年を迎えます。その記念として、10月22日にはアプリのパブリッシャーやマーケターの方々にお集まりいただき、ネットワーキングイベントを開催しました。交流を通じて、新たなビジネスを生み出す場になることが目的です。今後も、技術的なソリューションの提供だけでなく、人と人とのつながりを大切にし、業界全体の成長に貢献していきたいと考えています。
大城(Adjust):まさにエンゲージメントを生み出す存在でありたい、ということです!
ユーザー獲得やユーザーのエンゲージメントを高めるためのデータを取得し分析するためにも、Adjustは欠かせません。Adjustをお試しされたい方はAdjust公式サイトからお問い合わせください。