目指すのは、深掘り記事の「総合書店」
──「SmartNews+」はサービス開始当初から勢いがあり、急速に成長しています。まずは、どのようなサービスなのか教えてください。
ホン:SmartNewsのアプリ内で提供している、有料メディアの厳選記事を集約した購読サービスです。購読料は月額1,480円で、2024年7月現在、有料記事を配信するメディア31社と契約しており、それ以外のコンテンツパートナーも含めると38社の有料記事やコンテンツを購読できます。加えて、購読者への利用特典として、飲食店や日用品店、レジャー施設などで使える300種類のプレミアムクーポンも提供しています。
ホン:配信しているのは、提携企業各社が自社メディアで配信している有料記事から厳選した記事、あるいはSmartNews+のみに配信してもらっているオリジナル記事です。他のメディアで無料配信している記事は対象外としています。
当初はビジネス専門誌を集約したものを想定していましたが、今、目指しているのは「総合書店」のような存在です。ビジネスジャンル以外でも、英語学習や投資術など様々なジャンルにおける深掘りした有料記事を積極的に配信しています。
メディアパートナーの協力のもと、30秒程度で読める要約記事や、グラフィック化された、目で見て素早く理解できる記事を取り揃えていることも特徴です。
新事業の立ち上げ期には、チャレンジを一つに絞る
──有料サービスを始めた背景には、どのような狙いがあったのですか。
ホン:SmartNewsではこれまでに3,000もの媒体と提携しており、すべて無料の記事をお届けしてきました。会社としては、これまで進出していなかった領域に拡大したい、という思いがありました。
具体的にプロジェクトを進める中で、サービスの内容を検討していきました。ユーザーインタビューも実施した結果、50%を超えるユーザーが「良い記事は、お金を払ってでも読みたい」と回答しました。ただし、ユーザーが有料コンテンツに求めるジャンルはバラバラでした。
では、どういうコンテンツをそろえるか。いくらユーザーがほしがっていても、存在しないコンテンツは一から作らないといけません。そうなると、「お金を払ってもらうこと」と「良いコンテンツを作ること」の2つのチャレンジが一度に必要になります。まずはそれを1つに絞り込み、「“作ること”はやらない」と決めました。世の中に既にある良質なコンテンツを使って、新たな価値を生み出すことにしたのです。
調査した結果、ビジネスニュースであれば、ある程度まとまった規模でコンテンツを提供できることが分かりました。まずはビジネスジャンルで10メディアを集めるという目標を立てて取り組み始めましたが、実際はすぐに20メディアが集まりました。