広告に転用できるUGC動画の見つけ方
※本記事で使用する「広告」は、SNSや動画プラットフォーム上で配信されている広告を指し、「クリエイティブ」はその広告に使用されている動画/静止画・文字・エフェクトなど、広告を構成する各要素と定義しています。
TikTokをはじめとした縦型動画の広告制作においては、視聴者がUGC投稿と広告の境界を感じることがないようなクリエイティブを制作することが重要です(詳細は第1回の記事)。
そこで、日々移り変わるトレンド要素をどのように広告に活用し、広告に転用できるUGC動画を見つけているのか、その具体的な視点や手法を交えながらお伝えします。
まず、前提として参考にするUGC動画を選ぶ際には、以下の3つの要素が含まれているかを確認することが必要です。
<判断軸となるポイント>
1.UGCフォーマット:Xの引用風、LINE通知風(第二回の記事参照)など、広告に転用しやすいUGC動画のフォーマットなのか。
2.テキスト:UGCフォーマットの動画内テキストで商品の利点や使用方法を伝えることが可能か。
3.音声:2同様、UGCフォーマットの動画内音声で商品の利点や使用方法を伝えることが可能か。
広告運用においては、1本のクリエイティブに依存するのではなく、複数のクリエイティブを並行して使用することが一般的です。これにより、ターゲット層に対してより多角的なアプローチが可能となり、ユーザーのニーズに寄り添った広告運用が実現できます。
さらにTikTok広告の場合、短時間で広告を制作し、素早く多数のクリエイティブのバリエーションのPDCAを回すことで、広告効果を高めていくことが可能です。そのため、広告クリエイティブを素早く制作するスキルが求められます。
また静止画と動画では、新規素材の制作にかかる工数が大きく異なり、動画のほうが静止画より制作に多くの時間と労力を要します。多数のクリエイティブを迅速に生成することを念頭に置くならば、静止画を組み合わせて動画クリエイティブを複数作成し、PDCAサイクルを効率的に回す手法も有効です。
一方、音楽やダンスをメインとしたコンテンツには、音源の著作権問題や、ダンスで商材の訴求を表現する難しさがあります。このようなコンテンツは実写での表現が必要となるため、ユーザー生成コンテンツ(UGC)フォーマットとして転用するのが難しいです。
効果的な縦型動画を作る4ステップ
今回は以下のクライアントを想定し、UGCフォーマットをどのようなクリエイティブにするのか一緒に考えてみたいと思います。
※以下はあくまで架空のクライアントです。
※オプトの見解でありTikTok公式の見解ではありません。
<想定クライアント>
・商材:脱毛
・ターゲット:20代~30代/女性
・目的:新規利用ユーザーの増加
・訴求したいキャンペーン内容:全身脱毛!無料キャンペーン!
オプトでは、効果的な縦型動画を作る際に以下の4つのステップを踏んでいます。ここからは想定クライアントを例に、4つのステップを紹介します。
ステップ1:ユーザーインサイトを分析する
ステップ2:フォーマットを決める
ステップ3:各カットの中身を決める
ステップ4:ディスプレイカードを導入する
ステップ1:ユーザーインサイトを分析する
想定される利用ユーザーのインサイトを分析しましょう。ユーザーインサイトとは、ユーザー自身の心の中にある潜在的な「本音・欲求(悩みなど)」を意味します。これを的確に推察できれば、ユーザーに刺さるクリエイティブを制作することが可能です。
たとえば、脱毛に関して20代~30代の女性たちの悩みを想像してみると、以下のようなインサイトが推察できます。
<想定クライアントのインサイト>
・インサイト(1):費用が高そうで不安
・インサイト(2):ムダ毛が気になる
・インサイト(3):肌を綺麗にして清潔感を出したい
今回は上記のうち、(1)のインサイト(本音や悩み)にアプローチするクリエイティブを制作するとします。
ステップ2:フォーマットを決める
ターゲット層である20代から30代の女性が興味を持ちそうなコンテンツを作成する際は、20代から30代の女性が日々TikTokのおすすめフィード上で見ているようなオーガニック動画のフォーマットを活用するのがおすすめです。今回は一時期TikTokで流行した手法を参考にしています。
フォーマットパターン(1):X引用風(ツイートが出現)
このフォーマットでは、Xの投稿画像(スクリーンショット風画像)を動画内に追加し、第三者からの情報発信(口コミ)のようにみせたクリエイティブです。視聴者に信頼感を与え、製品やサービスの魅力を効果的に伝えることができます。
フォーマットパターン(2):メッセージ通知風(通知が出現)
このフォーマットでは、メッセージの通知に訴求したい内容を入れます。日常的に目にする通知形式を活用することで、親近感を持たせることができ、視聴者の関心を引きます。
いずれのフォーマットも、ユーザーの目を引きやすくするための手法です。フォーマットにとらわれず、柔軟に構成を変えていくことが重要です。ユーザーが興味を持ちやすい内容を工夫し、効果的な情報発信を目指しましょう。