アイデアから実行まで最短3週間!迅速さを強みに
バーガーキングでは、マーケティング本部に新商品開発チームとブランドチームが存在する。インサイトからコア・アイデアを生み出すと、それぞれのチームによって商品開発とコミュニケーションを同時に展開していく。
これにより、「コミュニケーション案が先行しすぎて商品の実現性が難しかったり、逆に商品開発が先に行き、コミュ二ケーション案との関連性が損なわれたりするケースを減らせます」と麦氏は述べた。
同社では、アイデアから実行までのサイクルは最短3週間となる。たとえば、バーガーキングでドクターペッパーの販売を開始する際に、事前にSNSやニュースメディアで情報を収集し、その中毒性やカルト的人気、そしてドクターペッパーのアイスが米国で人気といった事実を整理。ドクターペッパーのフロートのコミュニケーション設計に活用した。
SNSの投稿では、米国での人気ぶりなどを織り交ぜながら、「3回飲むとクセになる」といったドクターペッパーブランドの文言をあえて採用することで賛否両論を作り出す内容を意識した。この投稿に対して、ポジティブな姿勢を示す層が「数えきれないくらい飲んでいる」と投稿したり賛同を表明したりと、リアクションが寄せられた。

もちろん、ネガティブ層や中立な態度の層もこの商品に対する投稿を行い、麦氏らの狙い通り賛否両論が渦巻く結果となった。
「BOLD&BULLISH(大胆で強気)」な姿勢で話題を生み出し、ファン化を促進
バーガーキングでは、リリースは「メディアへの100文字コール&レスポンス」とし、出す直前まで言葉選びにこだわる。自社SNSの投稿同様に、メディアが取り上げたくなるキーワードを盛り込むのだ。
前述のドクターペッパーの取り組みでは、既にSNSで賛否両論が起きている中で、ポジティブな姿勢を示す人々の声を活用。リリースの最初に「ファン歓喜!」と入れた。すると、実際に商品を紹介するメディアがこのフレーズを拾い、インパクトある形で拡散につなげられた。
このように同社では、SNSで投稿をして顧客の反応を確かめた上で、リリースを出すこともあるという。それによってメディアは顧客の反応も知ることができ、記事化しやすくなるのだ。
「ポイントは、賛否両論の起点をどこにするか顧客分析を基に考えた上で、発想から実行までの文脈作りを行い、そしてチームで迅速に実行すること」と麦氏は総括し、セッションを締めくくった。