入会数の増加だけじゃない!指名検索向上に対するInstagramの有効性
MarkeZine:続いて、Facebook Japanの田中さんに伺います。InstagramなどMeta広告は「獲得」を目的に用いられることが多い印象ですが、指名検索向上を目的とする場合も活用できるのでしょうか?
田中:たしかに、Metaの広告は「獲得」のイメージが先行していますが、近年状況が変化してきました。特にInstagramについては“新しいものとの出会いの場”として認知されるようになっています。この変化は外部調査会社の調査結果からも確認されており、Instagramを通じた新サービスとの接点は増加傾向にあると考えています。

加えて、Meta広告のアルゴリズムは、コンバージョンする可能性の高いユーザーに広告配信を行いますが、その際のコンバージョンは必ずしも広告をクリックしてすぐにコンバージョンするケースだけでなく、検索などでワンクッション置いてからコンバージョンするユーザーも含まれます。そのため、潜在層も含め、サービスにより強い関心を示す可能性のあるユーザーに対しても効果的にリーチすることが可能です。
MarkeZine:Instagram広告で指名検索向上を目指す場合のコツやポイントなどはあるのでしょうか?
田中:あるカテゴリでリーディングポジションにいる場合には話が変わりますが、多くの場合、これまでの経験では、漠然とした需要喚起ではなく、自社サービスへの具体的な興味を引き出すアプローチがポイントだと考えています。たとえば旅行業界の場合、単に「旅行に行きたい」というニーズを刺激するだけでは、特定の旅行商品・サービスへの関心には結びつきにくいですよね。
そうではなく個別の企業やサービスの価値を明確に伝えることで、たとえその場でのコンバージョンに至らなくても、後々「この企業のサービスで旅行に行きたい」という指名検索につながる可能性が高まります。直接的なコンバージョン獲得を目指す施策と本質的には同じ方向性だと考えます。
野嶋:おっしゃる通りだと思います。実際、森塾も指名検索を意識した広告運用は行っていません。むしろ、適切なリード獲得のための最適化を行うことで、結果として指名検索も向上するという仮説に基づいて施策を展開しています。直接的なコンバージョンに至らなくても、広告接触自体に価値があるという考え方ですね。
Instagram広告の指名検索への貢献を検証するのに採用した方法は?
MarkeZine:指名検索の重要性やこれに対するInstagramの有効性は理解できました。一方で、指名検索を指標にしたMeta広告の効果検証方法はあまり知られていません。オプトでは、どのように対応しているのでしょうか?
野嶋:マーケティング施策の効果を可視化する「ONE’s DataView(ワンズデータビュー)」のビジュアルメジャー機能を活用して検証を行っています。簡単に紹介すると、ビジュアルメジャーとは、資料請求完了後などのサンクスページでアンケートを実施し、実際の広告クリエイティブを表示して顧客の認知経路を検証する機能です。
もともと森塾では、チラシや交通広告といったオフライン施策の効果を可視化するためにビジュアルメジャーを導入していました。これらオフライン施策の広告を見ていないと回答した方々に、他で見た広告についてフリー回答を求めるようにしており、ここでMeta広告の指名検索効果も検証しています。