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Adjustと追うアプリマーケティング最前線(AD)

症状検索エンジン「ユビ―」のアプリマーケ テレビCMの放映前後でWeb広告のCVRは約130%増に

 2020年に提供が始まった症状検索エンジン「ユビー」をご存知だろうか。Web版と2021年7月にリリースされたアプリ版を合算したMAUは1,200万人を超え、2024年5月には初めて著名人を起用したテレビCMを出稿するなど勢いが止まらない。本記事では、同サービスのグロースを担う髙原康生氏と、髙原氏のマーケティングに伴走するAdjustの高橋将平氏を取材。テレビCMを含むアプリプロモーションの狙いと成果をうかがった。

フロー型→ストック型の利用へと転換を図る

──症状検索エンジン「ユビ―」が、どのようなサービスか教えてください。

高原:ユビ―では、生活者が体の不調や気になる症状を入力すると、症状の発生時期や痛みの程度、場所、触れたときの状態を聞く質問が投げかけられます。その回答を踏まえて、関連する病気や適切な受診先を無料で調べることのできるサービスです。

Ubie アクセラレーター本部 髙原康生氏
Ubie株式会社 アクセラレーター本部 髙原康生氏

高原:さらに、病院を訪れることが難しい方向けに、オンライン診療や医師とフリーテキストで相談できる機能もPoCで提供中です。生活者の体調の悩みや気になる症状に対して、情報収集から具体的なアクションまで、包括的なサポートの提供を目指しています。

──2020年4月のサービス開始から2021年7月のアプリリリースを経て現在まで、どのようなロードマップでマーケティングを進めてこられましたか?

高原:リリース当初に注力していたのは、腹痛や頭痛など、生活者が実際にGoogleやYahooで検索している顕在化したニーズに対して情報提供を行うことでした。

 プロダクトの機能拡充もあり、2023年の秋口から生活者との長期的な関係構築を重視する方向に転換し、アプリのマーケティングを強化することになりました。現在、サービス全体のMAUは1,200万人程度ですが、まだまだ一時的なご利用(フロー型)となっている方が多くいらっしゃいます。こうした方々から継続的なご利用(ストック型)をいただけるようなアプローチに注力しているところです。

 具体的には、アプリのリニューアルやテレビCMを含むプロモーションの強化を実施しました。テレビCM放映前後のパフォーマンスを可視化するためにAdjustを導入した流れです。

ミニマムスタートでマーケを強化したいならAdjust

──アプリマーケティングの効果測定を可能にするツールは他にもある中で、Adjustを選んだ決め手があれば教えてください。

高原:第一に、低価格のプランでも利用できる機能が充実している点です。Adjustの導入を決定した時点では、テレビCMの出稿規模や、プロモーションに使える予算が明確に定まっていませんでした。あくまでミニマムスタートで、効果を見極めながら段階的に投資を決定していく当社の状況に、Adjustの料金体系がマッチしていたと言えます。

 第二に、充実したサポート体制です。日本国内にサポートスタッフが多く常駐していることや、日本語のドキュメントが充実していること、加えて円払いに対応可能な点は、安心感につながる重要なポイントでした。

高橋:Adjustを利用いただいているお客様は、スタートアップ企業から大企業まで多岐に亘りますが、Ubieさんのようにミニマムプランを希望されるお客様に対しても、機能制限のないプランを提供しています。

adjust Sales Lead, Japan 高橋将平氏
adjust株式会社 Sales Lead, Japan 高橋将平氏

高橋:また、決め手としてサポート体制も挙げていただきましたが、特に我々のような外資系企業の場合、単なる営業拠点を日本国内に設置しているだけでは、クライアントの不安を生んでしまいます。どんなに良い製品でも、サポートのレスが遅かったり何を聞かれても「本社に確認します」の一点張りで返したりしていては、お客様の信頼を勝ち取ることは難しいです。

 Adjustの場合、グローバルにおいて日本市場の重要性・ポテンシャルがきちんと示されているため、国内拠点で手厚くきめ細かなサポートを提供できる体制が整っていますし、日本のお客様の声を積極的に本社に伝えて製品の改善にも活かしています。

 さらに最近では、Adjustユーザー同士のコミュニティ作りにも力を入れており、単にツールを提供するだけのベンダーにとどまるのではなく、マーケター同士が情報交換をしたり相談したりできる場を付加価値として提供できるよう努めています。

モバイルアプリの計測、広告の効果測定、ディープリンクの活用などのトピックに関して、お悩みや壁打ち相手を探されている方はお気軽にAdjustのサイトからお問い合わせください。高橋が直接ご相談に乗ります!

時間単位の分析で特定番組の効果を可視化

──Adjustを活用して具体的にどのようなことを行ったのか、お聞かせください。

高原:2024年5月に放映したテレビCMの効果はもちろん、同時期に走っていたWeb広告キャンペーンのパフォーマンスに与えた影響をAdjustで可視化しました。

高原:テレビCMの放映期間は約2週間でした。マーケターの皆さんは当たり前にされていると思いますが、放映中および放映後にWeb広告のCVRやCTRの変化を分析したり、検索広告においてはインプレッション数やブランド名の検索数の推移を確認したりしました。

 AdjustのDatascape(※)を活用することで、大きな枠組みでの比較だけでなく、時間単位での詳細なデータ分析が可能となり、特定のメディアや番組の効果を把握することができました。

※Adjustを活用して収集したデータを分析するためのアナリティクスダッシュボード。ブラウザ上で動作し、大量のデータを簡単に集計・フィルタリング・可視化することが可能

高原:Datascapeのダッシュボードでは、X軸とY軸を柔軟に入れ替えることができ、目標数値の設定も直感的に行うことができます。複雑な操作を必要とせず、ライトな使用感でデータの可視化が可能です。

 また、ダッシュボード単位での共有機能も使いやすいと感じます。プロダクトマネージャーや経営層など、異なる立場のメンバーに対して、カスタマイズしたダッシュボードを作成して共有することができるのです。通常であればTableauなどの専門的なツールを要する可視化や共有が、Adjustでは簡単に実現できます。その点が、業務効率の向上につながっているのではないでしょうか。

高橋:Datascapeは、高原さんのように高度な分析をされたい方のニーズにも応えられる高機能なアナリティクスダッシュボードです。直感的なUIが使いやすく、お客様が確認されたいレポートを徹底的に作り込むことが可能です。

Datascapeのイメージ
Datascapeのイメージ

テレビCMの放映前後でWeb広告のCVRは約130%に

──テレビCMの放映前後で、Web広告のパフォーマンスはどのように変化しましたか?

高原:CVRの改善が顕著で、約130%の向上が見られました。これにより獲得数も増加し、コスト効率の改善にも成功しています。

 Webサイトへの流入数をGoogle Search Consoleのデータで見ると、テレビCMの実施前と比較して300%以上の増加が見られました。現在もテレビCMの放映前と比較して140%程度の水準を維持しており、認知度が一段階上がったことを実感できています。

 また、テレビCMのクリエイティブをWeb広告にも流用したのですが、当初は効果に懐疑的だったものの、実際には良好な成果が得られました。もちろん、クリエイティブにさらなる改善の余地はありますが、テレビCMのクリエイティブがWeb広告領域でも有効に機能することは、ポジティブな驚きでした。

 AdjustのDatascapeを活用することで、ミクロレベルでのデータ分析と、マクロレベルでの全体的な成果報告の間を柔軟に行き来できたことは、特筆すべき点として挙げられると思います。

Adjustのアナリティクスツール・Datascapeで何ができるのか、詳細や実際のデモをご覧になりたい方はAdjustのサイトからお問い合わせください。

Ubieが会員登録を必須としないワケ

──UbieではAdjustの「TrueLink」を活用して、ユーザー体験の向上にも取り組まれたそうですね。TrueLinkがどのようなものなのか、教えていただけますか?

高橋:TrueLinkは、ユーザーの環境や状況に応じて最適なコンテンツへの誘導を実現するリンクです。iOS端末かAndroid端末か、アプリをインストール済みか未インストールかなど、様々な条件に応じて適切な遷移先を設定することができます。

高橋:たとえばアプリ未インストールのユーザーに対しては、アプリストアへの誘導を行うか、あるいはWebサイトへ直接誘導するかを選択できます。さらに、アプリ未インストールのユーザーがアプリストアからアプリをインストールして起動した際に、ユーザーが直前に閲覧していたコンテンツと同期したコンテンツを表示することも可能です。この技術は一般的にディファードディープリンクや遅延ディープリンクと呼ばれますが、Web to AppのUXをより良いものにしたいと考えるお客様からのニーズが特に高い機能です。

 また、アプリインストール済みのユーザーに対しては、直接アプリを起動させ、特定のアプリ内コンテンツにユーザーをダイレクトに誘導することが可能です。このように、ユーザーの環境や状況に応じた最適なコンテンツ誘導を実現するための仕組みとしてTrueLinkは活用されています。

高原:当社では、FirebaseのDynamic Linksのサービス終了をきっかけにTrueLinkを導入しました。ユビ―の特徴として、多くの生活者が最初にWebサイトで利用を開始し、その後アプリに移行するという行動パターンがあります。アカウント登録なしで気軽に利用できる点を評価してくださる生活者が多くいらっしゃるため、体調不良で今すぐ情報を必要としている方に対して、登録を必須とすることは私たちとしても避けたいと考えています。

 このような状況下では、Webでの利用体験をアプリへとスムーズに引き継ぐことが重要となります。そこで、TrueLinkを症状検索後の結果ページやサイトのヘッダーなど、複数の箇所に実装しました。これにより、たとえば「頭痛い」というキーワードを検索した生活者がWeb版のユビ―にたどり着き、ユビ―のアプリに移行したとします。すると、アプリで頭痛に関する情報が引き継がれているイメージです。

 技術的な限界により、完全な履歴の引き継ぎや無期限の情報保持は困難です。ただ、TrueLinkのおかげで体調不良という緊急性の高い状況に置かれた生活者に対し、会員登録やLINE連携などの手続きを必須とせず、それでいてWeb→アプリの体験の連続性を向上できていると考えています。

ユーザー分析の精緻化を進めて「新しい当たり前」をつくる

──最後に、今後の展望をお聞かせください。

高原:3点に分けてお伝えします。まずは、地上波テレビでの広告展開を通じて一定の効果が得られた現状を踏まえ、マーケティング施策のさらなるスケールアップを目指します。

 そして、ユーザーモーメントの可視化を含む、分析の精緻化を進めたいです。生成AIの活用や、アプリ内の詳細なユーザーデータとAdjustのデータを組み合わせた、より高度な分析体制の構築に取り組みます。さらに、アプリ外も含めたシームレスな体験の創出を目指しています。様々な事業会社やメディアとの連携を通じて、より自然な形でのサービス提供を検討しているところです。

 既存のジャンルに属さない新しいサービスとして、どのように体験とブランドを形作っていくかが重要な課題です。「新しい当たり前」を創造する仕事だからこそ、Ubieのマーケティングには大きなやりがいを感じています。0→1を得意とする方や、チャレンジングな環境を求める方にとっては、魅力的な仕事と言えるのではないでしょうか。

高橋:Adjustとしては、グローバルが目指す「自動化」に向けた機能開発を進めつつ、現場でクライアントのニーズを丁寧に汲み取り、そのニーズを機能開発に反映させるつもりです。

 これまでも、日本のクライアントからの声を受けて、CTV広告リアトリビューション計測(CTV広告による既存アプリの再起動や再訪問の計測)機能を実装しました。たとえば、大手ECアプリや有名ゲームアプリのCTV広告を視聴して、新規にインストールするユーザーは少ないと考えられます。むしろ「そういえば久しぶりにあのサービスで買い物をしよう」「久しぶりにあのゲームをやってみようかな」といった、既存ユーザーの再起動や再訪問を促す効果がCTV広告には期待できるはずです。

 このように、クライアントの声に耳を引き続き傾けることで、真に必要な機能を見極め、開発するベンダーであり続けたいです。

レポート「モバイル計測の未来」では、次世代のアトリビューションと分析方法について解説しています。将来にわたってアプリの成功を実現するためにも、レポートの詳細ページから時代を先取りする方法をご覧ください。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:adjust株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/01/31 10:30 https://markezine.jp/article/detail/47715