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「AIが生成した広告」を消費者の脳はどう処理するか?脳の研究でわかった4つのこと

AIが生成した広告は「認知的な負担」が大きい

 AIが生成した広告のビジュアルが特に奇妙、または非現実的に映った消費者セグメントにおいて、彼らの脳波を測定したところ、「記憶の活性化」は最も低かった一方で、「注意の活性化」が最も高かった。これは、「AIが生成した広告の内容やそれが訴求するメッセージを人びとが理解するためには、高い認知的努力が必要である」ということを示している。

 人間の脳の情報処理能力には限界があり、複雑な映像に圧倒されると重要な情報を見逃してしまう可能性がある。また、「不気味の谷」効果と呼ばれるように、人間はステレオタイプな見た目や動きから逸脱したものを検知する能力に長けている。つまり、人間そっくりのAIや、人間に近いが似ていないロボットに不安を感じる場合があるのだ。

 AIが生成した広告を含めて、視聴者がコンテンツ内の奇妙なビジュアルに気を取られたり、非現実的な人物や物体に固執したりすると、それらを見た人びとの認知的な負担は増加する。それが最終的に「視聴者がどのようなメッセージを受け取るか」に影響することを、広告主企業やブランドは念頭に置いておかなければならない。

AIは「初期段階のアイデア」を生み出すのに役立つ

 NIQは今回の研究結果を以下のようにまとめている。

 消費者は広告クリエイティブの真偽に対して、意識的、無意識的、双方のレベルにおいて実に敏感である。現時点では、どんなに優れた動画をAIが生成したとしても、人間の脳を騙すことはできず、広告効果の低下につながる

 それでもAIは、ブランドマネージャーが重要なブランディング資産を特定し、ストーリーボードを作成し、初期段階のアイデアを生み出すのに役立つという意味において、広告開発のプロセスを大いに促進できる。

 NIQの戦略分析およびインサイト担当社長であるラモン・メルガレホ氏は、「ブランドは効果的な広告を制作するために、インサイト主導のクリエイティブ評価を優先する必要がある」とコメント。

 また、同社の最高コミュニケーション責任者兼グローバルマーケティング責任者であるサイハン・ボウズ氏は、「この新しいテクノロジーは従来の広告制作にすぐに取って代わるものではないが、その機能を慎重に統合すれば、クリエイティブプロセスを強化することができる」と締め括った。

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この記事の著者

岡 徳之(オカ ノリユキ)

編集者・ライター。東京、シンガポール、オランダの3拠点で編集プロダクション「Livit」を運営。各国のライター、カメラマンと連携し、海外のビジネス・テクノロジー・マーケティング情報を日本の読者に届ける。企業のオウンドメディアの企画・運営にも携わる。

●ウェブサイト「Livit」

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/01/22 08:30 https://markezine.jp/article/detail/48034

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