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「実践企業に学ぶ オウンドメディア成功の秘訣」イベントレポート

職人や開発者ら“プロ”の話はおもしろい。カルビーが企業イメージの変革を狙ったオウンドメディア

 「ポテトチップス」や「じゃがりこ」などの人気ブランドで広く知られるカルビーは、近年になって“企業としてのイメージ”の発信にも改めて取り組み、成功しているという。その秘訣とは? メディアプラットフォームで知られるnoteが主催するイベント「実践企業に学ぶオウンドメディア成功の秘訣」をレポートする本連載。今回はカルビー公式note「THE CALBEE」の発起人である櫛引亮氏へのインタビューの様子をお届け。社員インタビューが人気という同メディアについて、実際に行われているコンテンツ制作のプロセスや、これまでに得られた効果などが語られた。

カルビーが取り組む、企業イメージの新たな発信地

━━「THE CALBEE」とはどのようなメディアでしょうか?

 カルビーグループの“これまでとこれからのストーリーを語っていく場”として、2021年3月に立ち上げました。月2~4本のペースで記事を掲載しており、合計150本(2024年11月時点)ほどになっています。

カルビー株式会社
コーポレートコミュニケーション本部
グループ広報部 社外広報課 課長
櫛引 亮氏

 岩手県盛岡市出身。新聞社やPRエージェンシーを経て、2020年1月にカルビー株式会社入社。「ポテトチップス」や「堅あげポテト」、「フルグラ」などの商品広報をはじめ、働き方などの企業広報にも従事。新聞記者とPRプランナーの業務経験を活かし、広報戦略の立案から実行までを担う。カルビー公式note「THE CALBEE」の発起人。

 社員の顔が見えることを大切にしていて、これまでに100人以上を記事で紹介していますね。後ほど詳しく説明しますが、基本的には執筆・編集や写真撮影など、社員で内製しています。

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━━そもそもなぜ、こうしたオウンドメディアを立ち上げたのですか?

 それまでSNSや自社サイトなどで情報発信はしていました。しかし商品がメインで、カルビーが目指している姿や取り組みといった企業情報を発信する手段は限られていたのです。それらの発信の場をもっと広げたいという想いがありました。

 また、私たちは成長戦略の中で、海外と新規事業を成長の軸とすることを掲げており、これまでの「フレンドリー」に加え、「イノベーティブ(革新的)」や「アウトスタンディング(卓越)」といった企業イメージも訴求したいと考えました。

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 もう一つ、従来のSNSやプレスリリースによる発信は、時間が経つとどうしても流れてしまうので、情報を1ヵ所に溜めていくストック型コンテンツも重要だと感じていたことが背景にあります

取材を忌避されないようにする「理由」の伝え方

━━人気記事も多数出ています。どのように企画しているのでしょうか?

 「THE CALBEE」では、主な読者ターゲットを「社員」や、公式SNSなどをフォローしている「カルビーのことが好きな方、深く理解していただいている方」などファンの方々に設定しています。

 その方々に年1~2回のアンケートを行い、出てきたご意見を記事の企画に活かしているんです。社員には社内報と全社へのメール、社外の方にはSNSを通じて声を聞いています。

━━実際に、アンケートから生まれた記事もあるのですか?

 工場現場の職人を紹介する「職人魂-THE CALBEE」と、若手社員のキャリアを紹介する「NEXT is NOW」は、その代表といえるシリーズですね。

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 どのような記事を求められているのか、私たち編集部のメンバーも模索している中で、アンケートのご意見を上手く活かすことができたと思っています。

━━逆にいえば「工場現場の職人を紹介する」といった切り口は、編集部では最初想定していなかった?

 そうですね。当初、私たちは商品の開発秘話や歴史の記事などを中心に考えていました。しかし現場の方にもフォーカスしてほしいという声が多かったのです。

 そこで、工場の職人が持つプロフェッショナルな部分や熱量の高さを記事にしたら、おもしろいのではと。イノベーティブやアウトスタンディングな面を伝えることにも通じると思いました。

 実際に記事は読者から好評でしたし、取材を受けた社員にも喜んでもらえました。最初は皆さん、記事に出てほしいと打診すると、謙遜したり恥ずかしがったりするのですが。

━━確かに、ネット上にお顔が出るので、人それぞれ感じ方が違うかもしれません。

 はい。なので、このnoteや企画の趣旨をきちんと説明した上で「その方を選んだ理由」を明確に伝えています。たとえば「職人魂」なら、各工場に適任な社員を推薦してもらって、この分野のエキスパートだからこそ紹介したいと話していますね。

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note株式会社(noteカブシキガイシャ)

 わたしたちは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに、表現と創作の仕組みづくりをしています。メディアプラットフォームnoteは、クリエイターのあらゆる創作活動を支援しています。クリエイターが思い思いのコンテンツを発表したり、メンバーシップでファンや仲間からの支援をうけたり、ストアでお店やブランドオーナ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/01/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48075

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