JALカードとNTTデータは、生成AI「LITRON Multi Agent Simulation(リトロン マルチ エージェント シミュレーション)以下、LITRON MAS」を活用したマーケティング施策の実証実験を実施し、効果を確認した。
実験では、JALカードの利用傾向などから複数の「AIバーチャル顧客(会員ペルソナ)」を作成。AIバーチャル顧客同士で、販促対象商品に関心を示す顧客の特徴や、効果的なDMタイトルなどについてグループディスカッションを行わせ、マーケティング施策に有効な示唆を抽出した。実験の流れは以下の通りだ。
- JALカードの顧客データを基に、カードの利用傾向が似ているグループを作成
- グループごとの特徴から、各クラスターのペルソナを作成
- 複数のペルソナ同士が、LITRON MAS上で設定したテーマに関して、会話またはグループディスカッションを実施し、テーマに対する示唆を生成
- 得られた示唆に基づき、マーケティング施策を実行する
2024年10月から2025年1月にかけて行われた実証実験では、JALカード特約店のある商品について、LITRON MASで得られた示唆(ターゲット)に対しダイレクトメールを送り、購買率を計測した。その結果、従来のターゲットと比較して購買率が3.0%向上した。
両社は今後もさらなる実証に取り組みマーケティング領域における生成AI活用の可能性を検証。JALカードの航空と金融の二面性を持つ強みを活かした、マーケティング施策の高度化を目指すとしている。
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