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成果につながるリサーチ

5ヵ月で売上が計画比の約130%!ファンケルが新商品開発に向けて取り組んだ、10回の消費者調査の裏側

 ファンケルでは、2024年10月にダイエットサポートサプリメントのロングセラーブランド「カロリミット」シリーズの新商品「プレミアムカロリミット」を発売した。サプリメント錠型としては実に10年ぶりの新商品となる本商品は、税込みで5,490円と高価格帯であるにも関わらず、発売後5ヵ月間で計画比の約130%もの売上を達成した。今回は、同社の健康食品事業本部 健康食品商品企画部 商品企画第二グループで課長を務める勢村祐美氏にインタビュー。同商品開発を行うにあたって同社が実施した、計10回ものリサーチについて詳細を紐解いた。

10年ぶりに錠剤型カロリミットの新商品開発を手掛けたワケ

━━まず、ファンケルが提供する「カロリミット」について概要を教えてください。

 カロリミットは、2024年2月末時点で累計8,900万個の販売個数を誇るダイエットサポートサプリメントのフラッグシップブランドです。これまで、通常の「カロリミット」に加え、「大人のカロリミット」やドリンク型の「キリン×ファンケル カロリミット ブレンド茶」などラインアップを拡充してきました。

 そんな中、2024年10月より10年ぶりのサプリメント剤型の新商品として「プレミアムカロリミット」の発売を開始。カロリミットをより進化させたものとして多くのお客様から愛用していただけるよう注力しています。

株式会社ファンケル 健康食品事業本部 健康食品商品企画部 商品企画第二グループ 課長 勢村 祐美氏
キリンビール株式会社に入社後、酒類の新商品開発や、酒類および清涼飲料のマーケティングリサーチを担当。その後、キリンビバレッジ株式会社やキリンホールディングス株式会社にて、プラズマ乳酸菌のブランドマネージャーなどを歴任した後に株式会社ファンケルに異動。現在は、カロリミットや美容食品などを担当するチームの統括を担っている

━━プレミアムカロリミットを新たに開発するに至った経緯を教えてもらえますか。

 大きな理由として挙げられるのが「ダイエットサポートサプリ市場の変化」です。2020年頃から、同市場に数多くのプレイヤーが参入しました。これにより、消費者が普段の生活にある飲み物などからケアしたい「手軽さ重視層」と高機能・多機能を求める「機能重視層」に二極化しました。

 そんな幅広いニーズに対して弊社では、まず「手軽さ重視層」の方々のニーズに応えられるようにキリンビバレッジとの協業でドリンク剤の開発に注力。さらに、「機能重視層」のニーズをカバーする商品として、今回新たにプレミアムカロリミットの開発を行いました。

【クリックすると拡大します】

 プレミアムカロリミットでは、「食事の糖と脂肪の吸収を抑える」機能はそのままに、「高めのBMI改善」と「お通じの改善」の機能を新たに搭載。お客様がもつ「本気で変わりたい」というニーズに応えることを目指しました。

新商品開発に向けて計10回もの調査を実施

━━今回プレミアムカロリミットを開発するにあたり、2020年から複数回の調査を行ったと伺っています。開発に至るまでの調査の全容を教えていただけますか?

 商品開発を行うに至るまで、延べ14,000人を対象に「ニーズ探索」「コンセプト商品設計」「パッケージデザイン」の三つの段階に分けて定量・定性調査を実施。その回数は計10回にものぼりました。

のべ14,000人を対象に三段階の調査を計10回実施した

 前提として、実は初めから新商品の開発に向けて調査を行っていたわけではありませんでした。「ニーズ探索」の段階では、錠剤型のカロリミットブランドとして提供していた「カロリミット」と「大人のカロリミット」の2種類の商品の成長に向けて、環境分析と定量調査を実施していたんです。

 また、それを深掘りするために「ダイエット市場におけるお客様のクラスター分析」にも取り組みました。具体的には、オピニオンリーダーになりうるクラスターに注目し、彼らがカロリミットブランドを選ぶ理由や抱えているインサイト、当時のカロリミットに対するイメージなどを深掘る、というものです。

 その調査を進める中で、ブランドが抱える課題として「パッケージからでは、カロリミットと大人のカロリミットの違いがわからないのではないか?」という仮説が浮かび上がりました。そこからは、この仮説をもちつつ、パッケージイメージに関する定量調査に取り組んでいきました。

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新商品開発に舵を切った理由とは?

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この記事の著者

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/12 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48155

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