パワーファミリーのお金事情
最後にパワー層と、一般層のお金事情に関して比較してみた。パワー層の1ヵ月の生活費(税込み)平均は44.7万円、一般層は25.6万円であり19.1万円の開きがある(図表9)。

パワー層n=404/一般層n=478(クリックすると拡大します)
また、パワー層が1ヵ月に自由に使える個人のお金(税込み)平均は18.4万円、一般層は8.2万円であった。こちらも10.2万円の開きがある。パワー層は生活費が1.7倍多く、自由に使える個人のお金も2.2倍多い。この差が豊かな購買力に繋がっているようだ。
パワーファミリーの「ニーズ」を理解することが鍵
今回のパワーファミリーの調査を振り返ると、パワー層は世帯年収も高いことから購買力が高く、また豊かな世帯年収の背景となっているフルタイムの共働きでもあることから、家事や育児について夫婦が力を合わせて懸命に対応している姿が見て取れる。そのために、家事を効率化するロボット掃除機をはじめとした家電やサービスを積極的に取り入れている。そして、普段は忙しいためか休日に関しても家族でアクティブに過ごしている姿が見られた。
彼らは多忙ゆえに時短や効率化を求め、一方で生まれた余暇時間をアクティブに過ごしている。こうしたパワーファミリーならではの生活から「お困りごと」や「ニーズ」を発見し、企業が技術力や商品力、サービス力で解決することにより、これからの時代にマッチした先進的な商品やサービスが生み出されていくと考えられる。
また、パワー層ほどの世帯年収はなくとも、現在では共働きの家庭が増え、夫婦による家事分担も当たり前化しつつある中、家事や育児の時短や効率化は一般的な「お困りごと」や「ニーズ」でもあり、パワー層への着目とその対策はこれからの潮流をも捉えることにつながると考える。
日本だけでなく、これから成熟期を迎えるASEAN(東南アジア諸国連合)等でも共通の「お困りごと」や、「ニーズ」があるはずであり、日本発の商品やサービスが、グローバル各国でも先導できるのではないか。パワーファミリーにスポットを当て、「お困りごと」を解決する商品やサービスを創出して行くことが今後の日本企業の戦略につながるのではないだろうか。
※1 国立社会保障・人口問題研究所 「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)2015年」
※2 内閣府 「男女共同参画白書 令和5年版」
※3厚生労働省 子育て層の平均世帯年収(785万円)「国民生活基礎調査(2022年)」【調査概要】
調査地域:日本全国
対象者条件:20~59歳男女個人
標本抽出方法:マイティモニターより適格者を抽出
標本サイズ:合計n=882 パワー層n=404 一般層n=478
ウエイトバック集計:あり※
※性年代構成比を、2020年度実施国勢調査データをベースに、人口動態などを加味した2024年度の構成比にあわせてウエイトバック
調査実施時期: 2024年9月6日(金)~2024年9月10日(火)