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生成AI台頭時代に読んでおきたい、コンテンツマーケティングの基本と実践

サイトリニューアル時、気をつけてますか? 検索順位を守るために企業がすべき、SEOの誤解と対策

サイト内のページの大幅な統合、削除に要注意

 サイトのリニューアルでは、ページそのものの削除、あるいは統合を考えることもありますよね。制作費の面から見ても、ページが減ったほうがコストダウンになると考える企業様も少なくありません。

 特に、統合するページが異なるキーワードで上位を取れていた場合、単純な統合によって評価が下がる可能性が高くなります。2つの異なるターゲットを持つページを一つに統合すると、それぞれのターゲットに最適化されていた情報が薄まり、検索エンジンが「どの検索意図に最適なページか」を判断しづらくなります。結果として、順位が低下するリスクがあるのです。

 ユーザーニーズを考慮するだけでなく、Googleがそれぞれのキーワードの意味・関係をどのように捉えているのかによっても判断が分かれる、非常に難しいポイントと言えるでしょう

統合・削除前に必ず確認すべき事項とは?

 こういったトラブルを防ぐために、ページ統合や削除の前に、Googleサーチコンソールで対象ページがどの検索キーワードで流入しているのかを確認することは不可欠です。

 もしページ統合や削除の議論が生じた際には、SEOの視点から見て問題ないのかを必ず確認しましょう。制作会社様がGoogleの評価ロジックを深く理解しているとは限りません。SEOの観点から見たときに意図せず流入減少につながる決定をしてしまわないよう、事前にサーチコンソールでチェックしてから判断することを徹底しましょう。

サイトリニューアルで後悔しないためにできること

 サイトリニューアルは見た目の改善や情報の整理だけでなく、SEOの視点を考慮した計画が必要です。「リニューアルすればSEOの面でも良くなる」という思い込みは、多くのサイトオーナーが陥りがちな落とし穴と言えるでしょう。

 実際には今回取り上げたもの以外にも多くの確認ポイントがあります。たとえば動的にページが生成されるEC、求人サイトなどでは、コンテンツのレンダリング方式がGoogleの認識しやすさ・評価に大きな影響を与えます。開発工数を考えるとリリース後の改修は困難で、取り返しがつかなくなる、あるいは大きな費用と時間が必要になる恐れがあります。

 また、2025年5月21日にGoogleから発表された新機能「AIモード」には、ユーザーがこれまでサイト内で行っていた商品選定・比較・購入といった操作を、Google自身が一貫して代行する「エージェント機能」が搭載されています。

 Googleは、この機能に対応するための技術要件は従来のSEOと同じであり、追加の技術的対応は不要だとしています。しかし私は、「入力フォームが正しく認識されるような設計」など、将来的に新たな要件が求められる可能性もあるのではと感じています。

 日本での導入時期は未定ですが、米国ではすでに多くのユーザーが体験しており、今後同様の展開が日本でも見込まれます。リニューアルの際は、こうした最新動向を踏まえたうえで検討されることをおすすめします。

 サイトリニューアルは数年に一度の大きな決断です。後悔しないために、リニューアル前にSEOの視点を考慮しているかどうかを、しっかり押さえておきましょう!

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この記事の著者

西脇 遼平(ニシワキ リョウヘイ)

 ナイル株式会社 SEO研究所所長

 4年間の個人サイト運営を経て、2021年にナイル株式会社へ入社。SEOコンサルタントとして3年間、ECサイトをはじめとする大規模サイトのテクニカルSEOや、企業オウンドメディア・ランキングサイトのSEO支援を担当。2024年よりSEO研究所長に就任し、社内でのSEO...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/05/29 09:00 https://markezine.jp/article/detail/48586

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