バーチャルヒューマンが企業に選ばれるワケ
MZ:どんな業種業態の企業がバーチャルヒューマンを活用していますか? また、どのような目的で活用されているのでしょうか。
守屋:自治体、飲料メーカー、空港、銀行など、幅広い業種業態の企業に問い合わせをいただいております。
目的は主に三つです。一つ目は、自社の商品やサービスをプロモーションする目的。先ほど例に挙げたような広告モデルとしてバーチャルヒューマンを活用するイメージですね。
二つ目は、自社でオリジナルのIPキャラクターとして新しくバーチャルヒューマンを作り、会社の財産として保有・マネタイズしていく目的です。もちろん「人型」でなくても作成できるので、「バーチャルキャラクター」として提供する場合もあります。
三つ目は、業務効率化の目的です。AI技術を使って業務の手助けやお客様のご案内を行うことで、人手不足解消、ユーザー体験向上に寄与します。たとえば、とある飲料メーカーでは、イベントの受付としてimmaを導入していただきました。そこでの会話をAI解析しユーザーニーズを探ることで、マーケティング的な観点でもご活用いただいています。

MZ:広告以外にも様々なニーズがあるのですね。タレントやVTuberではなく、バーチャルヒューマンを企業が活用するメリットはどんなところにあるのでしょう。
守屋:まず企業から挙がるのは、「炎上リスクの回避」ですね。炎上を避けるためにバーチャルヒューマンを開発したわけではなかったものの、全世界がパパラッチ化し、コンテンツが過激化するSNS時代において、避けては通れない観点となってきているのかもしれません。
MZ:炎上回避の観点では、AIで生成したキャラクターやモデルを活用する手もあると思います。なぜ、バーチャルヒューマンが選ばれるのでしょうか。
守屋:バーチャルヒューマンはストーリーを紡いでいるからです。AIでその日に生成したようなキャラクターには、歴史や背景がありませんよね。そこにタレントバリューは生まれにくいでしょう。
一方、当社のバーチャルヒューマン、特にimmaには、ファッション誌での活動や日々のSNS投稿など「ここまでの物語」の積み重ねがあります。「ストーリーテリング(物語性を持たせて惹きつけること)」が可能な点は、AIで生成した人物やキャラクターとは大きく異なるでしょう。
オリジナルバーチャルヒューマンが、たった2日で作成可能⁉
MZ:バーチャルヒューマンを開発するうえで、Awwならではの特徴やこだわりはありますか。
守屋:モデリング技術と量産体制、スピードには自信があります。immaだけでも10段階以上はアップデートを重ねていますし、アップデートされた最新の状態をもとに、別のバーチャルヒューマンを作っていますので、大量のスキャンデータが蓄積されています。結果、バーチャルヒューマンを1体2日程度で新規作成できる量産体制が整ってきました。
加えて、「ストーリーテリング」に挙げられるように、バーチャルヒューマン一人ひとりの個性や背景にこだわっている当社では、大規模言語モデル(LLM)を独自で研究開発しています。これによって、一般的なAIの特徴に影響されることのない、バーチャルヒューマンの個性を前面に出したアウトプットが可能となりました。
なお、企業からバーチャルヒューマン制作をご依頼いただいた際には、モデリングだけでなく、搭載する機能、ストーリー設計、コンテンツ企画など、開発からプロデュースまでを自由度高く、総合的にカバーすることが可能です。