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【3年でARR30億円超】Sales Marker×susworkに学ぶ、勝てるカテゴリーの作り方

新カテゴリーを作るには? 「独自価値×想起×連想」の方程式

 では、自社が勝てる新カテゴリーを作るにはどうすれば良いのか。続いて、田岡氏は戦略的にカテゴリーを作るための3つのステップを解説する。

 ステップは非常にシンプルで、1つ目は顧客の潜在的な課題を抽出する「顧客理解」、2つ目はその顧客課題を解決する自社の「独自価値」の定義、そして3つ目は「カテゴリー」を定義することだ。

 「あらゆるカテゴリーは、お客様自身もまだ気づいていない課題に対して、新しい価値で解決していくことで生まれます」と田岡氏。顕在課題には、すでに多くのソリューションが存在しており、そこでは差別化が難しい。だからこそ、可視化や言語化がされていない“潜在課題”を見つけ、それを独自の価値で解決することに意味がある。そして、その価値を顧客がイメージしやすい形で届けていくことが重要だ。すなわち、独自価値×想起×連想の掛け算である。

画像を説明するテキストなくても可

課題啓蒙×信頼獲得でカテゴリーを浸透させる

 では、自社が勝てるカテゴリーを定義したあと、それを市場に創出し、認知を獲得していくにはどうすればよいのか。田岡氏は、カテゴリーの獲得には、「課題啓蒙」と「信頼獲得」の2つが必要だと言う。

 まず、顧客自身がまだ明確に言語化できていない“潜在課題”を整理し、言葉にして伝えることで共感を生み出す。これが課題啓蒙だ。そして、その課題を自社の製品やサービスが確実に解決できることを示すことで、ブランドへの信頼を積み上げていく。これが信頼獲得である。

 この2つの掛け算によって、顧客との接点を最大化しながら、ブランドの認知と信頼を同時に育てていくことができる。こうしてカテゴリーは市場の中で定着し、競合と一線を画すポジションが築かれていく。

画像を説明するテキストなくても可

 しかし、そこで満足してしまっては意味がない。田岡氏は、「顧客(WHO)は移動する」ことを常に意識するべきだと語る。カテゴリーの初期段階では、イノベーター層が新しい技術や製品の価値を積極的に理解してくれるため、手応えを感じやすい。しかし顧客層はやがてアーリーマジョリティーへと移行し、評価軸も“加点”から”減点”へと変化していく。小さな不満やできない点がネガティブに作用しやすくなるのだ。

 そのため、Sales Markerでは、フェーズの変化に応じて何度もコアターゲットを見直し、再定義してきたという。そして、そのたびに「課題啓蒙」と「信頼獲得」を繰り返すことで、カテゴリーを育て、ブランドとしての信頼を積み上げてきたのだ。

 「潜在課題は、いろいろな方々に共通するからこそ、継続して価値が提供できています。ただし、その伝え方は、常にカテゴリーの成熟度に合わせて変えてきました」(田岡氏)

 初期段階ではビジネス動画チャンネルなどを活用し、顧客が抱える課題を言語化しながら「インテントセールス」という新たな考え方について解説。次に、事例が蓄積されてきた段階で、タクシー広告やCM、書籍など幅広いリーチを持つ媒体を通じて信頼を広げていった。そして今では、「インテントセールスとは何か」という思想そのものを経営者に届け、中長期的な成長を支えるパートナーとしてのポジションを築きつつある。

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顧客のニーズを掴むインテント

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社Sales Marker

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/05/26 10:00 https://markezine.jp/article/detail/48734

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