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【3年でARR30億円超】Sales Marker×susworkに学ぶ、勝てるカテゴリーの作り方

 国内で初めて「インテントセールス」を提唱し、創業からわずか3年で30億円超のARR(年間経常収益)を達成したSales Marker。この急成長の裏には、戦略グロースファーム susworkとともに描いた「カテゴリー戦略」があった。3月5日・6日開催の「MarkeZine Day 2025 Spring」には、Sales Markerの花田氏とsusworkの田岡氏が登壇。企業がカテゴリーを確立し、カテゴリーNo.1企業として事業成長を実現するための戦略を惜しみなく明かした。

ターニングポイントとなった「新カテゴリー」の創出

 Sales Markerは、国内で初めて「インテントセールス」を提唱し、創業から約3年で30億円超のARR(年間経常収益)を達成。ユニコーン企業の成長速度指標とされるT2D3(※)の“2倍”の速度で成長するなど、今最も勢いのあるスタートアップだ。

 この成長の背景には、単なる営業効率化や手法の刷新ではなく、「市場を創る」という発想の転換がある。事業成長を“再現可能”な戦略として描くために、インテントという顧客起点の情報と、カテゴリー戦略という構造的アプローチが掛け合わされた。

T2D3……Triple, Triple, Double, Double, Doubleの頭文字をとった略称。SaaS企業の成長戦略を表す指標で、ARR1億円を起点に1年毎に3倍→3倍→2倍→2倍→2倍と成長させていくことを目指すモデル
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当日の投影資料より(以下、同)

 創業当時から同社のグロース戦略を支援してきたSales Marker 外部顧問でもあるsusworkの田岡氏は、「ターニングポイントとなったのは、Sales Markerを表す言葉を『セールスインテリジェンス』から『インテントセールス』と言い換え、新たなカテゴリーを作ったこと」と振り返る。

 セールスインテリジェンス領域は、過去に様々なスタートアップが挑んできたマーケットでありながら、日本では浸透してこなかった。Sales Markerはその理由を“WHO(誰に向けた価値なのか)”から見直した。そして、自社の事業を最も大きく成長させるコアターゲットは「シリーズC以降のスタートアップ企業」であると定義した。「彼らはすでに様々なセールス施策を試し尽くしていて、次なる戦略やチャネルを模索している段階にあると考えました」(田岡氏)

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suswork株式会社 代表取締役 田岡 凌氏

 新規営業開拓は、電話を100本かけても商談が1本決まるかどうかもわからないほど、顧客ニーズの有無が不透明だ。そこで、Sales Markerは「Web検索から“今ニーズがある企業”がわかる」という点を訴求。その反響は大きく、ビジネスメディア「PIVOT」で初めてインテントセールスを訴求した際には、5日で約300件の問い合せが殺到し、受注ベースでROIを10倍以上達成したという。

 「インテントセールスと言った途端に、展示会でも一気に反応が変わりました。これはもう営業担当者が使うものだと。インテリジェンスという言葉よりも、現場の営業にとって価値のある“実務で使えるサービス”として受け取られた。浸透のスピードも、そこから一気に加速したと僕自身も実感しています」(花田氏)

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株式会社Sales Marker Sales Marker事業本部 本部長 花田 海氏

カテゴリー戦略の重要性

 顧客が思い浮かべるプロダクトは、カテゴリー内で2~3つ程度に限られると言われており、その中でも「最初に想起されるもの」が選ばれる確率は圧倒的に高い。だからこそ、「事業成長を実現するためには、まずそのカテゴリー内でNo.1になることが不可欠」だと田岡氏は強調する。

 では、すでに成熟した市場の中でカテゴリー内No.1を目指すことが難しい場合、どうすればよいのか。田岡氏は、「No.1になることが難しければ、自らNo.1になれる新たな市場を定義し、そこで選ばれ続ける状態をつくるべきだ」と語る。「深い顧客理解にもとづいてコンセプトを磨き上げ、他と比較されることなく、顧客の頭の中で“第一想起”を獲得し続ける。これこそがカテゴリー戦略の本質です」(田岡氏)

 新たなカテゴリーとは、「〇〇と言えば××社」と顧客の頭の中で即座に想起される状態を指す。たとえば、「掃除機」と聞けば複数のメーカーが思い浮かぶかもしれないが、「ロボット掃除機」と言われれば「ルンバ」が真っ先に浮かぶ人が多いのではないだろうか。このように、特定の言葉と企業・製品が結びつく状態こそ、カテゴリー戦略が目指すゴールである。

 田岡氏は、「カテゴリー戦略は、顧客の頭の中に自社を定着させる“メンタルアベイラビリティ”(想起・好意度)と、実際の接点や購入可能性を高める“フィジカルアベイラビリティ”(配架率・顧客接点)双方に効果がある」と説明する。

 さらに、カテゴリー戦略はスタートアップに限らず、大手企業にとっても極めて重要な取り組みだという。なぜなら、大手企業の多くは、現在あるいは過去においてカテゴリーNo.1のブランドを確立してきた経験があるからだ。しかし一方で、コモディティ化が進むなかで優位性や差別化要素が埋もれ、成長ドライバーを見失うと、やがて価格競争に巻き込まれ、収益の低下を招くリスクが高まる。

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 こうした状況を打開するカギが、カテゴリー戦略である。比較されることなく顧客に選ばれ続ける、圧倒的に強いカテゴリーを築くことで、新たな成長の足場を見出すことができるのだ。

次のページ
新カテゴリーを作るには? 「独自価値×想起×連想」の方程式

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社Sales Marker

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/05/26 10:00 https://markezine.jp/article/detail/48734

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