「ここまで数字で見えるのか」と驚き
――具体的に、どのようにテレビCMの効果測定をしたのですか。
藤井:今回は、2025年4月下旬から5月にかけて、前半と後半に分けて取り組みました。前半のフェーズでは、ミエルTVとインクリーを活用して様々な媒体・番組に出稿し、最適化を図りました。その結果を踏まえて、後半は、それぞれベストパフォーマンスを出すよう調整していきました。
結果、テレビCMとOTTの位置付けの整理が進みました。テレビCMは行動変容を起こしていただく人数というボリューム重視、OTTはブランドとして注力しているターゲットの行動変容の促進といったように、役割分担が明確になりました。感覚的にはわかっていたことですが、きちんと数字ベースで実証できました。
――実際に導入して、感じたことはありますか。
藤井:ここまで数字で見えるのか、という驚きがありました。それと同時に、もっとデータをリクエストすればよかったな、と思う部分もありましたね。

運用の“レバー”が見えるから、守りと攻めのバランスがとれる
――ミエルTVによってテレビCMのデータが見えるようになると、タイミーのマーケティング戦略はどのように進化していくと考えますか?
藤井:働き手と事業者のバランスを取って双方のメリットを重視する、という軸は変わりません。しかし、外部環境や事業フェーズに応じて、やり方は変えていく必要があります。今回の取り組みで、広告運用の“レバー”が見えるようになったので、調整しやすくなったと思います。つまり、自社のマーケティングの強みを活かしやすくなりました。
マーケティングにおいて、攻めと守りのバランスは大事です。テレビCMは投資額が大きいので、失敗しないように守りに入るケースも多くなりがちですが、運用しながら軌道修正できれば、柔軟に対応できるのではないかと思います。確度が高い取り組みと、チャレンジで入れる取り組みのバランスを取れるようになるのはありがたいですね。

――ミエルTVは2025年4月に提供を開始したばかりです。AJAにとっても知見を蓄積している最中かと思いますが、タイミーとの取り組みで気付きはありましたか?
田平:ミエルTVは、当社として初めてテレビCMを取り扱ったサービスです。地上波テレビの視聴率が低下しているという話はあるものの、依然としてテレビCMのインパクトはすさまじいと感じました。一方、テレビデバイスを使って地上波番組を見る人も多いですが、CTVでOTTサービスを視聴する人も増えています。そこをうまく組み合わせることで最大の効果が出せると感じました。
――今回の取り組みを受けて、他の企業にも提供できそうな価値はありますか。
田平:ミエルTVのポイントは、効果が見えるようになることと、スピーディーに運用できることです。デジタル広告のようにテレビCMを運用したい、という企業にはぴったりのサービスです。また、実際の数値を見ながら分析したいのであれば、相性が良いと思います。